女子W杯準々決勝で"4度"PKストップのオーストラリア守護神「私にとって一生忘れられない夜になりました」

[写真:Getty Images]

新たな歴史を紡いだオーストラリア女子代表GKマッケンジー・アーノルド(ウェストハム)が激闘を振り返った。

マチルダスの愛称で知られるオーストラリア女子代表は12日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)準々決勝でフランス女子代表とブリスベン・スタジアムで対戦。0-0のまま規定の120分を終了し、PK戦の末に7-6で勝利を収め、史上初となるベスト4進出を決めた。

勝利の立役者は間違いなくアーノルドだ。120分の中ではフランスペースの時間もあった中で、屈強な攻撃陣のシュートをことごとくストップ。PK戦のハイライトは多岐に渡り、フランスの1本目と5本目を止めた守護神は、決めれば勝利という5人目のキッカーとして登場。まさかのポストに嫌われた。

サドンデス突入後の9人目では、一度は止めながらもキック前にゴールラインから足が離れていたとして蹴り直しに。それでもケンザ・ダリ2度目のキックの見事にストップ。見た目上4度PKを止める鬼神の如き活躍を見せた。

試合後、インタビューに応じたアーノルドは「今私の頭の中を何が駆け巡っていると思いますか?正直にいって、これは私にとって一生忘れられない夜になりました」と興奮冷めやらぬ様子。時間が経過し、冷静になれば、改めてさらなる達成感に包まれるだろうとも語った。

「これをオーストラリアの皆さんと共有できるのはとても特別なことだと思います。(興奮のあまり)お互いにまだ自分たちが何を達成したのか、本当に理解できていないと思うけれど、少し時間をかけて気持ちを落ち着かせて、次の試合に進もうと思います」

指揮官のトニー・グスタフソン監督は守護神のメンタルに脱帽。記者会見で「マッカ(アーノルドの愛称)がPKを外してなお、勝利を手繰り寄せた選手であることを考えてみてほしい。彼女の精神的な強さは前代未聞、前代未聞だよ!」と口にするなど、賞賛を惜しまない。

アーノルドを軸としたオーストラリア不動の最終ラインは、これで5試合中4試合でクリーンシートを達成。16日の準決勝では前線にタレントを擁するイングランド女子代表と相まみえるが、マチルダスの守護神はこの試合でも安定感のあるパフォーマンスを見せてくれるだろう。

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