家のなかが一番危険! 子どもの熱中症、抑えるべきポイントは?

環境省によると、子どもは汗をかく能力が未発達なうえ、大人と比べて体重に対する体表面積が大きく、気温・湿度・日差しなどの外部環境に影響を受けやすいため、特に熱中症になりやすいと言われている。

そんななか、子育て支援サービスを運営する「BABY JOB」(本社:大阪市淀川区)は、0~5歳の子どもを育てる全国の保護者3400人を対象に「子どもの熱中症対策に関するアンケート」を実施。その結果と、覚えておくべき対策を紹介します。

連日35度以上、危険な暑さが続いている

■ 油断禁物・・・実は最も危ないのは「住居」

総務省消防庁は、2022年5~9月に熱中症で救急搬送された患者(全世代)の最も多かった発生場所が住居であったと発表。しかし同アンケート結果では、89.7%もの保護者が「大人より子どもの方が熱中症になりやすいということを知っている」と答えているにも関わらず、子どもの熱中症に対して「自宅にいるときに意識できている」は25.4%、「屋内で遊んでいるときに意識できている」は38.1%と、いずれも半数を大きく下回る結果となった。

「熱中症による救急搬送発生場所」と「意識調査」

■「このくらいなら大丈夫」はキケン・・・温度&湿度のこまめなチェックを

室内では直射日光を避けられる場合が多いものの、温度と湿度をこまめに確認することがポイント。「大阪総合保育大学」児童保育学部の講師・阿川勇太先生は、「温度は26〜28度、湿度は50〜60%が好ましいと言われており、大人の感覚で『このくらいの暑さなら大丈夫』といった我慢などはせず、扇風機や冷房を活用したり、日差しを遮ることで室内を涼しく保つように心がけましょう。屋外では、ベビーカーに乗っているときは地面から近く、温度が上がりやすいため特に注意が必要です。定期的にお子さんの様子をチェックするようにしましょう」と呼びかける。

大人よりも地面から近い子どもは熱中症リスクが高まる

■ ついつい飲んじゃう「冷たい飲み物」はNG!

一般的に子どもの水分補給は、胃腸に負担のかかる冷たい水やお茶ではなく、身体が吸収しやすい常温が好ましいとされている。しかし、今回の調査では、43.4%の保護者が「冷たい水・お茶」で子どもの水分補給をしていると回答。阿川先生は、「自ら水分補給を求めていなくても、大人がこまめに水分を取らせることも重要。難しい場合は、形態を変える(マグではなく、コップ、ストローにしたり、材質を変えるなど)ことで、飲み進めてくれることもあるため、さまざまな工夫をしながらこまめに水分を補給できるように意識しましょう」と話す。

正しい水分補給で熱中症を予防しよう

大人よりも発症リスクの高い子どもの熱中症だが、まわりの大人が注意して見ることで防ぎやすいのも特徴。顔色や汗の量などをこまめに確認し、水分補給を積極的におこなうことが大切だ。

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