【ミャンマー】ヨマ大型開発が再開、会長「段階的に」[建設]

ミャンマーの財閥ヨマ・グループを率いる華僑系実業家サージ・パン会長は11日、最大都市ヤンゴン中心部の大型複合開発「ヨマ・セントラル」の建設工事を再開させたと発言した。工事は、2021年2月に発生した軍事クーデター後の混乱で中断し、グループ会社の業績の足かせとなっていた。パン氏は「工事を段階的に進めていく」と話した。

パン氏は、同日に開いたヤンゴン証券取引所(YSX)上場の持ち株会社ヨマ・ストラテジック・ホールディングス(YSH)の年次株主総会で、ヨマ・セントラルの現状について説明した。

ヨマ・セントラルは、高層ビル4棟の建設や低層の旧ミャンマー国鉄本社ビルの改装などで構成される。パン氏によると、このうちサービスアパート「ザ・ペニンシュラ・レジデンシズ・ヤンゴン」とする予定の高層ビル1棟の建設工事を進めており、他も「状況が許せば」、順次再開させていく。

YSHの2023年3月期(22年4月~23年3月)決算は、最終損失が4,119万米ドル(約60億円)となり、前年同期の約1,458万米ドルから3倍近くに膨らんだ。工事中断が長期化しているヨマ・セントラルに関連する赤字が拡大したことが響いた。

YSHは、ヨマ・セントラルが完成すれば不動産事業の収入拡大につながるとみている。ただ、軍事政権下での開発推進には反発がある。アパートやホテル、オフィスなどの需要が落ち込む中で、開発を進められるかどうかも不透明だ。

クーデター後は外資企業の投資が停滞し、撤退・人員縮小や外国人観光客の減少で不動産関連事業が落ち込んでいる。ヨマ・セントラルにはアパートの他、旧ミャンマー国鉄本社ビルを活用するホテル「ザ・ペニンシュラ・ヤンゴン」や商業施設なども含まれる。

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