櫻井佑樹と髙松アロハが「尊さ」を実感!? BLドラマ『4月の東京は…』の“初”尽くし&ほっこり撮影エピソード

櫻井佑樹 髙松アロハ

KADOKAWAによるBLドラマレーベル「トゥンク」と連動しながら、毎クールさまざまなタイプの作品を放送するMBS「ドラマシャワー」が、いかに画期的な試みだったか。空前のBLドラマ製作ラッシュに入った2023年、同放送枠の続投が決まった。

その第1弾が、LaLa TVで2023年8月20日(日)にCS初放送される『4月の東京は…』だ。

“尊さ100%”の呼び声も高いハルによる人気漫画を原作に、「劇団EXILE」の櫻井佑樹、「超特急」の髙松アロハがW主演する。尊さと同時に俄然、純度の高い主演の顔ぶれに、BLドラマの新しい未来が見えてくるよう。

今回は、そんな主演の櫻井佑樹さんと髙松アロハさんにインタビューを行った。「僕らも演じていて不思議な感覚がありました」と率直な気持ちを語ってくれたお二人。本作が描くBL作品ならではの関係性に迫る。

「僕と和真は似ている部分がある」「僕と蓮は正反対のキャラ」

―『不幸くんはキスするしかない!』を呼び水として、枠を通じてBLドラマ作品を放送している「ドラマシャワー」。まず、今回『4月の東京は…』に主演するお気持ちを教えてください。

櫻井佑樹(以下、櫻井):「ドラマシャワー」は昨年度、たくさんの方に見ていただいたBLシリーズです。自分自身、BL作品に出たいなと思っていたので、記念すべき作品に起用していただいたことが嬉しかったです。

今回の滝沢和真役が初主演ですが、不安よりも、むしろ「やってやろう!」というやる気に満ちたワクワク感がありました。原作を読んだ時点で、僕と和真には似ている部分があり、役柄をうまく理解することができました。

髙松アロハ(以下、髙松):僕の場合は、少し不安がありました。すごく嬉しい反面、経験不足を感じ、自信が持てませんでした。この場に立っていいのか、と。さらに原作を読んだ時、石原蓮のキャラクターが僕とは正反対だったんです。

―櫻井さんとは、全く逆の状況だったんですね。

髙松:はい、僕は結構アウトドア派ですが、蓮はインドア。絵を描くのも苦手ですし、本当に真逆の人です(笑)。

―でも髙松さんは、「超特急」のメインダンサーですから!

髙松:えっ(笑)。

櫻井:あはは(笑)。

「監督の事前演出のおかげで撮影初日にもうまく取り組めた」

―そうしたキャラクターとのギャップを感じながらも、脚本を読んでいくうちに、段々イメージが浮かんできたんでしょうか?

髙松:そうですね。初めて監督とお会いした時に、僕ら個々に、キャラクターの設定を書いた紙を持ってきてくださいました。原作で明言されていない考察も含め、端から端までずらっと書かれた紙です。そこから、蓮との共通点があるかもと思い、役作りができました。

―櫻井さんは、その紙を読んでどうでしたか?

櫻井:まず自分の中でイメージする和真像がありましたが、さらに理解が深まりました。石橋夕帆監督は、本当に親切な方だなと思いました。あそこまで用意してくださる監督さんは、あまりいらっしゃらないと思います。

―その紙は、脚本と一緒に渡されたんですか?

櫻井:仮脚本ではありましたが、本読み段階で渡してくださいました。僕がイメージする和真像以外にも、監督が思い描くものがあり、監督ならではの原作の読み込み方を感じました。そうした事前の演出があったからこそ、撮影初日にもうまく取り組めたと思います。

「ここまで尊い世界があるんだ」

―お二人は、『HiGH&LOW THE WORST X』にそれぞれ出演されていますよね。

櫻井:そうなんです。でも、撮影現場では顔を合わせていません。

髙松:面白いよね。それで、今回の共演がお互いに初主演だなんて。

―お互い以前からご存知ではあったんですか?

櫻井:『4月の東京は…』への主演が決まり、『HiGH&LOW THE WORST X』に出演していたことをマネージャーさんから聞きました。あの作品はものすごくたくさんの方が出演されてますから、鑑賞中は気づかなかったんです。

―MBSの「ドラマシャワー」枠では、主演する俳優のお二人が、他の現場で実はニアミスしていることが多いですよね。

髙松:確かに。運命でしたね(笑)。

―お二人の関係性、何だか尊いですね。ハルさんによる原作は、累計25万部を売り上げ、読者から「尊さ100%」の呼び声が高い作品です。この“尊さ”という感覚は、BL作品に限らず、近年の恋愛ドラマにとってとても重要なワードです。日常生活の中で、「これ、尊い!」というような瞬間はありますか?

櫻井:“尊い”って、どういう感覚なんでしょうか。難しいですよね。でもきっと、原作を読んだ方のご感想が「尊さ100%」ということは、日常だとあまり感じられない特別なものを感じられる、ということではないでしょうか。

髙松:僕も“尊い”は、2次元的なものだと思っています。なかなか私生活では感じられない感覚ですよね。自分では気づいていないことなのかもしれません。

―では原作をお読みになって、これが「尊い世界」なんだな、と?

髙松:ここまで尊い世界があるんだ! と思いました。

「初めての“わしゃわしゃ”を撮られました(笑)」

―第1話は、「東京は、俺にとっては懐かしいところだ」という和真のモノローグから始まります。櫻井さんのどんな表情が重ねられるのか、ワクワクする冒頭です。多くのBLドラマでモノローグが重要な効果を生んでいます。初主演作品の、この出だし。櫻井さんは、どんな気持ちをモノローグに込めましたか?

櫻井:モノローグは、監督とやりとりをしながら、長い時間をかけて録りました。やはり一発目の言葉ですから、特に重要ですよね。

あの時点では、まだ蓮に会えていない。しかも、なぜいなくなったのかも分からない。そして、まさか蓮に会えるなんて思ってもいないわけです。会社に入社してから蓮に気づく前の場面なので、この辺りの和真の心情を考えました。彼と会うことを想像もしていない状況の言葉として、10年前の過去を抱えつつ、そこから10年後の今、発する言葉はどういう気持ちなんだろう? と。

ドラマの最後にも同じようなモノローグがあるんですが、最初と最後では全然意味が違います。なので、ただただ悲しいトーンではおかしいんです。そのように自分の中で試行錯誤したものが、監督の考えと一致し、OKが出ました。

―モノローグ録りは、撮影がオールアップした後ですか?

櫻井:そうなんです。だから難しさもありました。

―“一番最初の気持ち”に戻さなくてはなりませんもんね。

櫻井:モノローグの録り方も面白かったんです。一度すべて通しで録り終わってから、最初の2行だけを最後に録りました。すると、これが功を奏したんです。

―対する蓮は、10年ぶりの再会場面で、中学時代のように和真の頭を撫で回すという、まさに尊い場面だと思います。繊細さと大胆さがコントラストをなす再会の場面で、髙松さんはどんなことを意識しましたか?

髙松:地元の友人と久々に会った感覚です。監督にもそうアドバイスをいただきました。とはいえ、そうした感情を隠さなくてはいけない部分もあり、難しかったです。犬を“わしゃわしゃ”するように和真を撫でるわけですが、櫻井くんは髪色が似ていますよね(笑)。

実際、久しぶりに会った友人にもそんなことはやったことがないんですが、今回“初めてのわしゃわしゃ”を撮られました(笑)。

「僕らも演じていて不思議な感覚がありました」

―和真と蓮の関係性についてもお聞きしたいです。和真と蓮は友達なのか、どうか。単なる友達でもなく、ある意味では恋人を超えた間柄でもある、言うなれば“恋人以上・友達未満”のような関係ではないか思います。この二人の微妙で絶妙な関係性をどう思いますか?

櫻井:僕らも演じていて不思議な感覚がありました。普段は感じられない感覚でしたが、なんて言うんだろう……どう思う(笑)?

髙松:どういう心境だったか……。おそらく、お互い好き同士ですが、一つの発言だけで「あれ?」となったりもする。うん、うまく説明がつきません(笑)。

櫻井:いい具合に結びつかないんですよね。和真は真っ直ぐな人間だけど、何かとうまくいかない可哀想なタイプ。蓮には隠しているものがあり、それを打ち明けてくれない彼に、和真はもやもやします。

和真が近づくと蓮は離れるし、蓮が寄り添ってくれると、彼が隠しているものが気になる。それが裏目に回り、変な方向に転んでしまう。なかなか釣り合わず、結びつかない描写が続きます。

―では、そんな複雑な関係性の見どころを教えてください。

櫻井:和真は、本当に真っ直ぐであるが故に、喜怒哀楽が上下します。どん底まで落ちることもあれば、蓮と楽しく過ごせる時もある。なかなかうまくいかないことはありますが、和真は諦めません。ずっと蓮のことを追いかけます。なので、みなさんにも諦めずにやり続けることの大切さを感じ取ってもらえたらと思います。

髙松:10年前の中学時代に出会い、とある理由で離れ離れになってしまう二人。ドラマの展開とともに徐々に明らかになりますが、そこからまたどう結びつくのか。ストーリーの展開がコロコロ変わり、「まじか!」という展開もあります。興味が持続する最高傑作になっていると思います。

取材・文:加賀谷健

撮影:落合由夏

※櫻井佑樹ヘアメイク:国府田雅子(B.sun)スタイリスト:八尾衣装:SHINYA KOZUKA/UNEEK BASEMNTKOOI/印saby/HEMT PR問い合わせ先:印 渋谷店 03-6455-2239 / UNEEK BASEMNT info@uneekbasemnt 042-652-9825 / HEMT PR (saby) 03-6721-0882

※髙松アロハヘアメイク:GLEAMスタイリスト:TAKURO

『4月の東京は…』は2023年8月20日(日)23:30よりLaLaTVで放送開始

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