ラグビー強豪国! ポリネシア文化が色濃く残る「サモア」ってどんな国?

「サモア」という国をご存じでしょうか? 南太平洋にあり、ハワイやトンガ、タヒチ、ニュージーランドのマオリ族と同じ文化圏であるポリネシアに分類されます。躍動的なダンスや、熱した石で料理を作るなど、いまなおポリネシアと共通する文化が色濃く残っているのです。今回は、サモアの基本情報のほか、観光スポット、人気のスポーツをご紹介します。

サモアの基本情報

南太平洋、サモア諸島の西半部を占める国で、正式名称は「サモア独立国」。ドイツ領、ニュージーランドの委任統治・信託統治を経て、1962年にニュージランドから独立しました。面積は2,830平方キロメートルで、東京都の約1.3倍の大きさです。

赤道に近いサモアは、年間平均29℃の熱帯性気候。5月〜10月の乾季が観光のベストシーズンです。

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人口は約21万8,764人(2021年)で、サモア人(ポリネシア系)が90%を占めるほか、欧州系混血、メラネシア系、中国系、欧州系などの人々が暮らしています。公用語はサモア語、英語です。宗教はキリスト教(カトリック、メソジスト、モルモン教)が信仰されています。

サモアの国旗にある、5つの星は南半球のシンボル「南十字星」を、星の白い色は「国民の純粋性」を象徴。また、赤は「勇気」を、紺は「太平洋と自由」を表しています。旧宗主国のニュージーランドの国旗を参考にデザインされました。

国名は、創造神タンガロアの息子モア、またはその化身の鳥に由来し「モア神の地(聖地)」という意味で、「サ」はポリネシア語の場所を示す接頭語です。

サモアに行くには?

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日本からサモアへは直行便が就航していません。行き帰り最低1カ所で乗り換える必要があります。日本から首都アピアへ行く場合、フィジーのナンディ、ニュージーランドのオークランドなどで乗り継ぎが可能です。

サモアに入国するためには、ビザの取得は不要(90日以内の滞在の場合)です。2023年8月現在、パスポート残存有効期限は、入国時に6カ月以上で、出国のための航空券を所持している必要があります。出国先が日本以外の国の場合は、渡航先国の入国査証の所持が必須です。

サモアの最新の渡航情報について詳しくは下記をご覧ください。

サモア独立国大使館

海外安全ホームページ

フリーマーケットも! 海と街の両方を満喫できる「アピア」

イマキュレート・コンセプション大聖堂

サモアの首都「アピア」は、ウポル島北岸に位置し、『宝島』の著者スティーブンソンの墓があることで知られています。この街はコロニアル様式の建物が並んでいて、港にそびえ立つ「イマキュレート・コンセプション大聖堂」は息を呑む美しさ。ステンドグラスの窓と木製の天井は一見の価値があります。

カヴァ用のお椀

アピアで最も人気の観光スポットは「ビーチ・ロード」。政府庁舎のほか、土産物店などが建ち並んでいます。ここでは毎日(日曜日を除く)フリーマーケットを開催。伝統的な木彫りやプリント柄の布地、カラフルなラバラバ(腰巻き)、カヴァ(伝統的な飲み物)用のお椀などを購入できますよ。

さらに「サモア文化村」に立ち寄れば、「タパ」作りや、文化工芸品の彫刻、伝統的な入れ墨などを体験・見学可能です。

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また、「ロバート・ルイス・スティーヴンソン博物館」も、ぜひ訪れたいスポットのひとつ。結核を患っていた彼は44歳の若さで死去。そんな彼が転地療養の末、最期の地に選んだのがアピアだったのです。同博物館には、彼の生涯に関連したコレクションが展示されています。ガイド付きのツアーもほぼ毎日開催されているため、気軽に訪れることができそうですね。

海で遊びたいのなら、アピアの中心部から徒歩わずか5分の「パロロ・ディープ海洋保護区」へ。バイアラ海岸沖にサンゴ礁の浅瀬が広がり、シュノーケリングのベストスポットになっています。

アピア

秘密にしておきたくなる天然のプール「トスア・オーシャン・トレンチ」

昨今、人気のスポットになっているのが、アピア中心部から車で約1時間の「トスア・オーシャン・トレンチ」。トスアは「巨大な水泳の穴」を意味します。まるで隕石が落ちたような穴は、溶岩原の侵食によって誕生したものです。

岩盤に沿って設置された木製の階段を10mほどおりていくと、そこには岩の壁に囲まれた、秘密のプールが! エメラルドグリーンの透き通った水が美しく、思わずウットリしてしまいますよ。このプールの直径は約50m、深さは約30mです。周囲は熱帯の植物が生い茂っています。

さらに天然プールの中には深さ3mほどの海底洞窟も。この洞窟は南太平洋の外海へとつながっています。

このプールの近くには、トイレやシャワーのほか、ポテトチップスやドリンクを販売するショップもあって便利です。

なお、サモアの自然名所の多くは地元の家族や村によって運営されています。そのため、大人SAT$15、子ども(6〜11歳)SAT$5の入場料がかかります。

移動に不安がある場合は、アピア(近郊も含む)の観光地を巡る日帰りツアーに参加するのもいいかもしれませんね。

トスア・オーシャン・トレンチ

営業日時:月曜~土曜 8:30~17:00、日曜日 12:30~17:00

入場料:大人ST$15、子ども(6~11歳)ST$5、6歳未満は無料

公式HP:https://www.samoa.travel/plan-book/activities/to-sua-ocean-trench/

天国にいるような体験ができる「ラロマヌ・ビーチ」

手つかずの白浜とサンゴ礁が広がる青い海のコントラストが眩しい、熱帯の植物に囲まれた「ラロマヌ・ビーチ」。ウポル島南東部に位置し、首都アピアから車で約1時間30分です。沖合にヌウテレ島が浮かんでいます。

このビーチには、「ファレ」と呼ばれるサモアの伝統家屋を模した宿泊施設が並んでいるのがポイントです。リゾートホテルではなく、あえてファレに宿泊して、サモアの文化に触れてみるのもいいでしょう。穏やかな海の音を聴きながら眠りにつき、日の出とともに目覚める、という天国にいるような体験ができますよ。

さらに、干潮時には熱帯魚を間近で見ることができるのも魅力です。海で泳いだり、ビーチで昼寝したり、シュノーケリングをしたり、カヤックを漕いだり。思い思いに過ごせます。

ラロマヌ・ビーチ

マイペースに過ごせる、素朴で自然豊かな「サバイイ島」

サモア最大の島「サバイイ島」は、素朴な雰囲気でゆっくりと過ごすことができます。一番の見どころは、南海岸にあるのどかな「アフ・アアウ滝」。自由に泳いだり、飛び込んだりして、リフレッシュできます。

サバイイ島南西部のタガ村にある「アロファアガ噴水孔」も外せないスポット。轟音を立てて、噴気孔から水が空高く噴き上がる様に圧巻です。地元の人がココナッツを穴に投げ込み、それが空中に吹き飛ばされる様子を見られる可能性もありますよ。

さらに、噴気孔の近くにある興味深いスポット「パ・ソポイア洞窟」は、霊界に入る前の最後の集合場所「ムリヌウ岬の悪魔の冥界」に到達するための古代の道であると信じられています。訪れる場合は、地元の人に案内してもらってくださいね。

アイラオアフィ ©️corners74 / Shutterstock.com

また、9月に訪れるのなら、 太平洋の島国ならではの個性と歓喜に満ちた「テウイラ祭り」は見逃せません! 盛大なお祭りで、ダンスのコンテスト、酋長のフィアフィア(踊り)、ポリネシア名物のアイラオアフィ(ファイヤーナイフダンス)なども開催され、見どころ盛りだくさんです。

島の北部にはウミガメと一緒に泳いだり、餌やりができる「Swimming with Turtles」も。気になる方はぜひ訪れてみてくださいね。

©️ peacefoo / Shutterstock.com

ウポル島からサバイイ島へはフェリーで約1時間です。

サバイイ島

サモアで人気のスポーツは?

サモアで人気のスポーツはラグビーです。子どもから大人までラグビーが大好きで、放課後の学校では多くの子どもたちがラグビーを楽しんでいます。さらに、ワールドカップに出場する強豪国として知られていて、1995年の大会ではベスト8に! 2023年8月7日時点の世界ランキングは12位です。

2023年9月8日(金)から10月28日(土)までフランスで開催される「ラグビーワールドカップ2023」では、「サモア×チリ」9月16日(土)、「サモア×アルゼンチン」9月23日(土)、「サモア×日本」9月29日(金)、「サモア×イングランド」10月8日(日)の試合が予定されています。ぜひチェックしてみてくださいね。

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