「爆笑戦士! SDガンダム」30年ぶり本格復活 「水星の魔女」で43年ぶりにガンダム堪能「最終回は泣いた」

1982年から92年まで児童漫画誌「コミックボンボン」(講談社)に連載された「爆笑戦士! SDガンダム」が本格復帰を果たした。作者の漫画家、アニメーターの佐藤元さんが13日、東京ビッグサイトで開催されたコミックマーケット102にサークル参加し、同作の「水星のアホ編Vol.1」を頒布した。

昨冬のコミケで試作のコピー本「Vol.0」を頒布。その好評を追い風に、オールカラー24ページの力作が完成した。かつてボンボン誌上で大暴れしたカミーユに、今年7月にテレビアニメが完結した「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主人公スレッタらが加わり、ドタバタギャグを展開する。「久々にマンガ本を描きましたが、楽しかったですね」と手応えを口にした。

佐藤さんは腕利きアニメーターとして「機動戦士ガンダム」「巨神ゴーグ」「クラッシャージョウ」などに携わり、近年では「おジャ魔女どれみ」への参加が有名。80年代にバンダイの要請を受け、モビルスーツをディフォルメしたSDガンダムは、子どもたちを中心に新たなブームをつくった。

一連のガンダム作品で、シリーズを通して視聴したのは「機動戦士ガンダム」と「水星の魔女」の2作品のみだという。「『Z』も『ZZ』も見ていないので、人の話を聞いてぷっつんカミーユやぷるをつくっていました」と話すほど、ガンダムアニメとの距離は遠い。

それでも「水星の魔女」で43年ぶりにガンダムシリーズを堪能。「学園ものからスタートするのがとても新鮮で、途中で戦争を挟みながらも、ガンダムらしくない大団円で終わったのが素晴らしかった。最終回は泣いてしまいましたね」と振り返った。

「Vol.1」がスタートし、次回作の構想もある。SDガンダム以前に「巨神ゴーグ」「太陽の牙ダグラム」を登場させたパロディ作品「ロボロボカンパニー」とのコラボだ。「ロボロボ―」はガンダムとダグラムが共演するなど、版元の都合で立ち消えとなったが、同人誌ならば問題ない。「冬コミまで時間がありませんが、出したいですね」と意欲を示した。

「水星の魔女」から広がったパロディの世界。かつてのコツを思いだし、佐藤さんの表情はとても楽しそうだ。「『水星の魔女』の最終回は何回も見ましたが、『水星のアホ編』にアニメの世界観や設定等は反映されていません。ボンボンの時と同じ、アホな爆笑戦士を楽しんでほしいです」と呼びかけた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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