日米、新型迎撃ミサイル開発へ 極超音速兵器に対処

岸田文雄首相、バイデン米大統領(ゲッティ=共同)

 日米両政府が、北朝鮮や中国、ロシアが開発を進める極超音速兵器を迎撃するため、新型のミサイルを共同開発する方針を固めたことが分かった。18日に米ワシントン郊外で予定する日米首脳会談で合意する方向で調整している。複数の政府関係者が14日、明らかにした。迎撃が困難とされる極超音速兵器への対処能力を向上させ、日米の抑止力強化を図る。

 極超音速兵器はマッハ5以上の超音速で飛行するため、レーダー探知や迎撃が難しい。戦いの在り方を一変させる可能性がある次世代兵器と位置付けられている。

 日米が共同開発するのは、極超音速兵器が滑空している遠方の段階で迎撃するミサイル。防衛省は、航空機対処を主目的とする陸上自衛隊の「03式中距離地対空誘導弾」(中SAM)の改良や、海上自衛隊の新型イージス艦「まや」などへの迎撃ミサイル「SM6」搭載で対処する方針だったが、いずれも着弾直前の対応になるのが課題だった。

 極超音速兵器は迎撃回避のために着弾直前で複雑な軌道で飛ぼうとすると、滑空段階では比較的落ち着いた動きになる。

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