赤、青、緑…「意外とカラフル」考古資料が大集合 平塚で170点展示

赤、青、黄色、カラフルな色の出土品などが見られる特別展=平塚市博物館

 遺跡からの出土物など、茶色系のイメージが強い考古資料の先入観を打破しようと、カラフルな資料を集めた夏期特別展が平塚市博物館(平塚市浅間町)で開かれている。「色」をテーマにした考古資料の展示は珍しく、歴史学の基礎知識を知らなくても新たな視点・感性で発見する面白さを感じてほしいとしている。入場無料。9月3日まで。

 遺跡から発見される考古資料は土器など素焼きの焼き物が多いため、ほとんどが褐色(茶色)系という。ただ、玉石や彩色した陶器・土器など、鮮やかな色が当時そのままに残るものもある。

 会場には市内の遺跡で発見された縄文~江戸期の約170点のカラフルな資料を展示。「赤」ではベンガラがついた赤彩土器(縄文期など・真田・北金目遺跡群)、「青」ではガラス玉(古墳期・城山横穴墓群)、「緑」は市内の出土数が県内の大部分を占めるという緑釉(りょくゆう)陶器(平安期・中原上宿遺跡など)、蛇紋岩でつくった勾玉(まがたま)(弥生期など・真田・北金目遺跡群)がある。

 中でも鎌倉期の坪ノ内遺跡で発見された「黒い烏帽子(えぼし)」は全国的にも貴重な資料。紙で作られている烏帽子で通常は経年劣化で失われてしまうが、表面に黒漆を塗ったため残ったという。

 8月27日には「特別展示ウラ話」が、定員20人で午前10時から行われる。

 問い合わせは、同博物館電話0463(33)5111。

© 株式会社神奈川新聞社