闘病中から旅立ちの後まで寄り添う「ちばこどもホスピス」 家族で夏祭りの思い出

闘病中から旅立ちの後まで寄り添う「ちばこどもホスピス」 家族で夏祭りの思い出

 命にかかわる病気や重い障害のある子どもたちとその家族が、夢や願いをかなえるプロジェクトの一環として、8月20日千葉県佐倉市で、関係者やボランティアによる手作りの夏祭りイベントが開かれました。

 「ちばこどもホスピスプロジェクト」は、命にかかわる病気や重い障害のある子どもたちと家族が、一人ではないと感じ、その子らしい時間を家族と過ごせるように闘病中から旅立ちの後までを寄り添う活動として、2022年秋にスタートしました。

 今回の夏祭りはその活動の一環で、昨年末のクリスマス会に続く2回目のイベントとして開催されました。医療的ケア児(又は重症心身障害児 以下重心児)とその家族、9組36名の参加があり、ボランティア34名と一緒に楽しみました。

 当日は、関係者が用意した屋台も出店され、かき氷を買ったり、焼きそばをほおばったりして、夏祭りを楽しむ子どもたちの姿が見られました。

 また、うちわ作りやお手製の魚を釣るゲームも行われ、会場にはあちこちから子どもたちの歓声が上がっていました。

 一般的なお祭りのヨーヨー釣りは、車いすに乗っている子どもには手が届きませんが、長い棒の先に魚獲り網をセットすることで釣ることができるように工夫。その重い感触をずっしりと手で感じて『私が釣ったの!』と言わんばかりの嬉しそうな顔をする子を見て、次々に『僕もやる!』とたちまち人気スポットに。車いすの子どもだけではなく、そのきょうだいも同じように釣って遊ぶ姿も見られました。

スヌーズレン・ルームでくつろぐ

 体温調節が上手くできない重心児が身体を冷やしたり、バギーから降りてリラックスしたりするために準備した部屋では、ボランティアと一対一でゆったりと過ごす姿も見られました。

 さらに夕方からは花火も行われ、目を丸くして見入る子どもを優しく見守る親の姿や、親子の笑顔がまばゆい光に照らされる光景が見られ、過ぎ行く今夏の思い出が、夕闇迫る中、関係者ひとり一人の胸にしっかりと刻まれていました。

 家族からは、「暑いとなかなか外に出られないけれど、家族でいい夏の思い出ができました!きょうだいがとても喜んでいて、また参加したい!と言っている」、「会場にブレンダーやミキサーを準備してくださったので、出店のお好み焼きや焼きそばをペースト状にすることができ、家族と同じものを美味しく食べることができました」などの声が聴かれていました。

 なお、全国に広がりを見せている「こどもホスピス」に対して、現在は公的制度による支援がないということで、同プロジェクトでは今後法人格を取得し、中長期的には子どもたちにさまざまなプログラムを提供できるよう、拠点施設の整備を目指していくとしています。

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