浴衣姿で大人へ一歩 本宮町で真夏の成人式、和歌山県田辺市

スマートフォンで記念撮影する「二十歳を祝う会」の参加者(13日、和歌山県田辺市本宮町本宮で)

 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で13日、お盆の帰省時期に合わせ「二十歳を祝う会」があった。対象19人のうち、15(男5、女10)人が参加。式典のあった午前中は強い日差しが照り付けたが、参加者は涼やかな浴衣姿で大人への第一歩を踏み出した。

 本宮町は毎年1月にある市主催の「二十歳を祝う式典」とは別に、本宮町自治会連絡協議会と市青少年育成市民会議本宮地区協議会が主催して「祝う会」を夏に開いている。参加者は県外に進学、就職している人がほとんどで、「変わらないね」「元気だった」などと旧友との再会を喜んだ。

 式典では自治会連絡協議会の仲常武会長が「それぞれの場所で、しっかり自分を見つめて頑張ってほしい。盆や正月には本宮に帰ってきて」と激励。参加者代表で岐阜県の短大2年生、西浦満さんは「答えのない問題に向き合い、自分で判断を下せる人になりたい。本宮出身であることを誇りに、これからの人生を歩みたい」とあいさつした。

 本宮中学校時代の恩師からのビデオレター上映や、「熊野本宮伝統芸能子ども教室」の小中学生による郷土芸能「長刀(なぎなた)踊り」の披露もあった。

 一足早く二十歳の式典を迎え、新潟県の専門学校2年生、杉山弥衣さんは「アウトドアを学んでいる。自然の中で育ったことで興味を持った。芯を持った大人になりたい」、大阪府の農業機械メーカーに勤務する田中陸翔さんは「通勤ラッシュもあって大変だけど、生活は慣れてきた。地元は好きだけど、都会で頑張りたい」と抱負を語った。

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