福島第一原発に貯まる処理水について、政府は8月下旬から9月前半の期間に海洋放出を開始する方向で検討しています。
処理水放出について多くの漁業者が反対の姿勢を貫いている一方、流通業者はどのように捉えているか千葉県銚子市で聞きました。
福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府は国の基準の40分の1未満になるように海水で薄め、海底トンネルを通して原発の沖約1キロで放出する計画を進めています。
一方、福島県などの漁業者や全漁連=全国漁業協同組合連合会などは、風評被害が再発するなどとして、反対の姿勢を貫いています。
処理水の放出について、12年連続で水揚げ量日本一・銚子漁港の小売り業者などで構成される流通組合は、次のように述べています。
銚子水産流通業組合連合会 宮内隆会長
「5月23日に私ども組合は福島第一原発に視察に行ってきた。きめ細かな説明をしていただいた」「風評がこれから放水して広がらないような形を取っていただきたいというのが私どもの願い」
風評被害を防ぐためには、丁寧な情報発信が必要としています。
銚子水産流通業組合連合会 宮内隆会長
「(銚子では)現在も続いてヒラメでもスズキでもなんでも数値を測って消費者に『安心安全だよ』という魚しか出荷してない。それでもいま放水しようということであるが、ずっと放水していくわけだから、今後風評が起きないような形を取っていただければ良いなと思う」
水産庁は、国内外での新たな風評を防ぐため処理水放出後の約1か月間は水産物への影響を毎日調査すると明らかにしました。
調査は福島第一原発の半径10キロ範囲で採取した水産物が対象で、結果は日本語と英語で発信するということです。