舟っこ作り、つなぐ伝統 盛岡で16日に送り盆行事

舟にちょうちんや紙花などを飾り付ける海野伸委員長

 盛岡市で約300年続く送り盆行事、盛岡舟っこ流し(協賛会主催)は16日、同市の明治橋付近の北上川で行われる。市内の町内会や自治会から10隻が参加予定で、竜をかたどった精霊舟を見送り、故人や先祖をしのぶ。舟作りに携わる人や担ぎ手の減少という課題を抱えながらも、住民らは伝統継承の思いを胸に製作作業や準備を進めている。

 松尾町町内会は、60代を中心とする有志ら約20人で「松尾町舟っこ流し実行委」(海野伸委員長)を構成し、舟作りを進める。

 楕円(だえん)を描くような竜のラインは受け継がれてきた伝統のデザイン。全長約4メートル、幅約1メートル、高さ約2メートル。新聞紙で丸みを作り、布で覆ってラインの美しさを出すのが特徴だ。当日は飾り付けた花火の点火のタイミングを調整し、美しく燃え上がらせる。

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