16日に安倍氏追悼ゴルフ 首相が不参加 台風直撃で危機対応優先 世論の批判を回避 

岸田文雄首相(資料写真)

 岸田文雄首相は14日夜、森喜朗元首相らが16日に企画した安倍晋三元首相の「追悼のゴルフ」(安倍派関係者)への参加を取りやめることを決めた。首相にとっては夏休み期間中だが、台風7号の日本直撃が確実な情勢下で危機対応を優先した。「党重鎮より国民へ目を向けるべきだ」(公明党議員)など与党内からも自重を促す声が上がっており、世論の批判を浴びるリスクも勘案したようだ。  

 関係者の話を総合すると、開催は安倍氏の派閥の先輩である森氏らが呼び掛け人。首相経験者の小泉純一郎氏、自民党副総裁の麻生太郎氏も参加予定だった。場所は安倍氏が好んで利用していたという山梨県内のゴルフ場。15日には夕食会もセットされ、「その場で内閣改造や党役員人事、望ましい総選挙の時期を話し合うのでは」(自民議員)との観測も呼んでいた。

 首相は11日から16日までを夏休み期間とし、15日の全国戦没者追悼式と閣議以外、公務は原則として外している。12、13日に予定していた家族同伴の静岡県での農山漁村への交流宿泊は台風に備え取りやめた。

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