銀行団、ビッグモーターに応じず 90億円の借り換え要請で

中古車販売大手ビッグモーターの店舗=7月、福岡県春日市

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)から借入金90億円の借り換えを求められた銀行団が、要請に応じない方針を伝えていたことが14日、分かった。これを受けビッグモーターは同日、返済期限を迎える週内に借入金を返すと銀行団に通知した。

 ビッグモーターは自動車保険の不正請求などで販売が大きく落ち込んでいる。関係者によると、昨年9月末時点で現預金は約320億円あったが、顧客離れが進み事業の先行きには不透明感が漂っている。

 事業継続に向け、ビッグモーターは今月10日に銀行団と東京都内で会合を開き、借り換えを要請していた。一連の問題では法令順守違反が疑われる行為も発覚しており、銀行団は融資に慎重な姿勢を示していた。

 銀行団は今後、企業風土の抜本的な改善が見込めるような実効性のある再建計画のほか、ビッグモーターの全株式を持つ兼重宏行前社長ら創業者一族の資産管理会社についても情報開示を求めていくとみられる。

 要請を受けたのは三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクと、地方銀行の広島銀行。

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