亡くなった愛犬をお盆に供養をする4つの方法 正しい迎え方や準備、注意すべきポイントは?

️そもそも何をするの?お盆の基礎知識

近年では核家族化も進み、「そもそも人間のお盆の儀式すらまともにやったことがない」という人も少なくないかもしれません。まずはお盆の基礎知識について復習しましょう。

1.お盆とは「盂蘭盆会」の略

お盆は仏教用語の「盂蘭盆会」を省略した言葉です。盂蘭盆会とは旧暦7月15日を中心とした4日間に、祖先の霊を供養するために行われる仏教行事のことを指します。

新暦の7月15日に合わせようとするとちょうど農繁期に当たってしまうため、現代では月遅れ盆として新暦8月15日をお盆としている地域が多くなっています。

2.お盆の風習

お盆の風習は地域によっても異なりますが、祖先の霊を供養するためにさまざまな儀式や行事が行われます。最もなじみのあるものだと、「盆踊り」もその1つです。

また詳しくは次の段でご紹介しますが、祖先の霊を迎えるための「精霊馬作り」や「迎え火」、祖先の霊をあの世へ送り返すための「送り火」などの風習は、全国各地に広く普及しています。

️お盆に愛犬を迎えるために

わんこのお盆の作法は、人間のお盆の作法と大きく変わりません。と言うよりも、お盆という概念をわんこにも当てはめるようになったのは、わんこと人間の距離感が縮まったごく最近の話なので、特に決まったものはないというのが実際のところ。

さらに言ってしまえば、大切なのは「愛犬の魂を供養したい」と考える心であって、その心さえあればどんな迎え方・送り方をしても自由なのです。

下記にわんこのためのお盆の過ごし方をご紹介しますが、これはあくまで1つの例です。愛犬の生前の好みや性格を考え、愛犬が喜ぶように自由にアレンジしてもらって全くかまいません。

1.盆棚作り

ペット用の小さなお仏壇があったり、お写真を棚に飾ってお供えものをあげたりしているという家庭もあると思いますが、お盆の期間中だけ「盆棚」と呼ばれる祭壇を増やしてみましょう。

ここに愛犬の好きだったおやつやごはんをお供えしたり、ナスやキュウリで作った「精霊馬」を飾ったりします。精霊馬は帰ってくる愛犬の霊の乗り物になるものなので、心を込めて手作りしたいですね。盆棚はお盆の初日に間に合うように設置します。

2.迎え盆

お盆の初日である8月13日の「迎え盆」には、お墓参りに行ってお墓を掃除し、お供え物をした後、墓前で「迎え火」を焚きます。迎え火は愛犬が帰ってくる際の目印になるものです。

墓前ではなく自宅で焚く場合もあり、その場合は玄関などに焚くのが一般的ですが、本物の火が焚けない場合にはろうそくやお線香で代替しても大丈夫です。

3.お盆の中日

中日である14、15日は家族みんなで過ごします。愛犬の生前の写真を見ながらみんなで思い出を語り合ったり、お散歩コースを歩いてみたりしてもいいかもしれません。愛犬が生きていた頃と同じように穏やかに過ごしましょう。

4.送り盆

お盆の最終日である16日は「送り盆」と呼ばれ、愛犬の霊を再びあの世に送ってあげる日です。再度お墓参りをして愛犬を偲びます。少し寂しいですが、来年のお盆にまた会えることを祈って送り出してあげましょう。

️お盆の注意点

1.お供えした食べものは持ち帰る

お墓にお供え物をする場合、特に食べものはそのままだとカラスや野良猫に荒らされてしまうリスクがあります。

お供え物を荒らされてしまうと供えた側の気持ち的にも悲しくなるのはもちろんですが、ゴミや食べかすが散乱して周囲にも迷惑をかけてしまいます。

せっかく用意したのに少し残念な気はしますが、食べものをお墓にお供えするのは短時間に留めて持ち帰るようにしましょう。

2.初盆・新盆の考え方に注意

四十九日法要を終えて最初のお盆を「初盆」「新盆」と呼び、その際には特に手厚い法要・供養を行うのが一般的です。

特に愛犬が虹の橋を渡った直後は「初盆は愛犬のためにもしっかり供養してあげたい」と気合いを入れたくなりますが、あくまで「四十九日を終えた後最初のお盆」なので、亡くなったのが7~8月の場合には、その年のお盆ではなく次の年のお盆が「初盆」「新盆」となるため注意が必要です。

️まとめ

いかがでしたでしょうか?愛犬との別れは言葉には尽くせないほど悲しいもの。それだけに、いとしい愛犬の魂がお盆の間だけでも帰ってきてくれることを信じたくなりますし、そうであるならしっかり迎えてしっかり送り出したいと思うのが飼い主心ですよね。

しっかり供養を行うことは愛犬の不在にしっかり向き合うということにも繋がり、ペットロスの軽減にも効果があります。万全の準備をして、帰ってくる愛犬との再会を待ちましょう。

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