震災復興財源、4兆円確保へ 政府保有の郵政株一部売却で

日本郵政グループのビル=東京都千代田区

 財務省は14日、政府が保有する日本郵政の株式の一部を売却すると発表した。売却額は約1057億円を見込む。政府は郵政株の売却で計4兆円程度を確保し、全額を東日本大震災の復興財源に充てる計画。既に売却総額は3兆9千億円に達しており、今回の売却額を加えると4兆円を超える見通しだ。

 政府が売却するのは保有する約3%分に当たる約1億227万株。保有比率は約33.3%に下がる見通し。日本郵政によると、2023年3月31日時点で政府が保有する株式の割合は36.28%だった。

 日本郵政株は郵政民営化法で政府が発行済み株式数の3分の1超を持つことが義務付けられている。政府は日本郵政株を段階的に売却してきた。日本郵政が自己株を消却したことで政府の保有比率が上がり、売却できる余地が生まれていた。

 日本郵政は5月、発行済み株式総数の10.0%に当たる3億4600万株、3千億円を上限に自己株式を取得すると発表。政府はこの自己株取得に応じ、株の売却を決めた。8月15日にも実施する。

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