合いの手復活 高梁・松山踊り開幕 城下町に熱気 観衆が踊りの輪に

備中たかはし松山踊りで優雅な舞を披露する踊り手たち=14日午後7時35分

 岡山県三大踊りの一つ「備中たかはし松山踊り」(同踊り保存会主催)が14日夜、高梁市中心部を会場に3日間の日程で始まった。新型コロナウイルス感染対策で昨年禁止された合いの手が復活。江戸から続く伝統の舞がかけ声とともに繰り広げられ、夏の城下町を熱気で包んだ。

 ちょうちんで照らされたJR備中高梁駅前大通りに、編みがさ、浴衣姿の踊り手たちが集結。4年ぶりの競演会で子どもたちが懸命の演舞を見せた後、沿道の観衆が加わり踊りの輪が広がった。

 参加者は「ハーリャーサー、ヨーイヤサ」とかけ声を上げ、優雅な「地踊り」と軽快な「ヤトサ」を踊った。会場に設けられたやぐらでは、音頭保存会のメンバーが独特の節回しや太鼓、三味線を響かせ盛り上げた。

 倉敷市出身で約10年ぶりに訪れた来場者(34)=沖縄県糸満市=は「まだ体が覚えている。慣れ親しんだ踊りを2歳の長女に見せられて感慨深い」と話した。

 松山踊りは、地踊り、ヤトサ、仕組踊りの3種類で構成される県重要無形民俗文化財。最も古い地踊りは1648年、備中松山藩主水谷(みずのや)勝隆が五穀豊穣(ほうじょう)などを願い民衆に踊らせたのが起源とされる。

 台風7号の影響が懸念される15日は中止の場合、午後3時に市観光協会ホームページで公表する。

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