タイムカプセルから51点のテストも! 50年前の思い出と再会 鹿沼・楡木小72年度卒業生が開封

50年ぶりにタイムカプセルを開封する卒業生たち

 【鹿沼】楡木小の1972年度卒業生は卒業から50年の節目に合わせ、卒業式の日に密閉したタイムカプセルの開封会を11日、楡木町の南押原コミュニティセンターで開いた。当時の時間割表、51点の試験の答案、夏休みの作文-。それぞれの思い出の品との再会に、卒業生たちは胸を躍らせた。

 73年3月、同校を卒業した2クラス66人が、ふた付きの容器に思い出の品を詰め込んだ。

 当時、6年2組の担任だった故熊谷真三(くまがいしんぞう)さんが市内の自宅の小屋で保管していた。娘の小太刀智子(こだちともこ)(62)さんは「生徒のタイムカプセルを持ち帰るなんて初めて。埋めたら場所が分からなくなると話していた」と振り返る。2013年、熊谷さんが亡くなった後は、この代の卒業生宅で保管していた。

 開封会は還暦を過ぎた卒業生の顔合わせを兼ね、日光市大室、鷹箸倫子(たかのはしみちこ)さん(63)と同市今市、清水(しみず)せつ子(こ)さん(62)が中心となって企画した。

 午後1時、熊谷さんの遺影が見守る中、開封を始めた。色味が変わった思い出の品々が顔をのぞかせると一同から歓声が上がった。「作文出てきたよ、恥ずかしい」「こんなもの入れて何考えてるんだよ」などと童心に帰ったような笑顔を見せていた。

 鷹箸さんは「久々に会った子もいて、楽しい時間を過ごせた。みんな喜んでくれて良かった」と話した。

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