劇団かもめんたる「S.ストーリーズ vol.2」座・高円寺 上演中! 予測不能、あぶない人たちが紡ぐ物語

2022年1月座・高円寺1にて、劇団かもめんたる初のオムニバス作品として上演された「S.ストーリーズvol.1」、最新作「S.ストーリーズvol.2」が好評上演中だ。
「S.ストーリーズvol.1」はコントと演劇の良いとこ取りした、岩崎う大の思う最新のおもしろを詰め込んだオムニバス公演。
気持ち悪い話、怖い話、スキャンダラスな話、悲しい話、色々な話が入り乱れ、結果『全部気持ち悪い話だったんだ』となるような、ある意味爽快な公演となった作品。今回の第2弾、全部で7話、オムニバス形式。「ハワイのホテルにて」「ろーぴえ」「ドライブバックメモリーズ」「誰だってウーマン」「リベンジ」「ここは託児所」「最終回」。タイトルだけ見ると「?」だが、それぞれ独立した物語でありながら、深いところで繋がっている。シュールで予測不能な会話の連続、ちょっとあぶない(いや、だいぶあぶないかも)人たちが織りなす人間模様、毒と闇を孕みつつ、そこに見える真実、人間の本性、客席からは笑いが絶えない。言葉ひとつひとつが不思議なエネルギーに満ち、そして俳優陣の思い切りのいい振り切った動きが、その空間を埋め尽くす。
「ハワイのホテルにて」は文字通り、ハワイのホテルに旅行で来ていた家族(父・母・娘)の部屋でのシュールな出来事。

「ろーぴえ」、タイトルは一瞬「?」と思われるが「ピエロ」、ピエロを「ろーぴえ」という理由、ここで繰り広げられる会話、事の顛末は?

「ドライブバックメモリーズ」は、オーデションの話、もちろん劇団かもめんたるだから普通にことが運ぶはずもなく。

「誰だってウーマン」登場人物は全員女性、一番年齢のいった女性が家の近くの駅で不快なことに遭遇、その話が思わぬ方向に。

「リベンジ」はマッチングアプリで出会った男女、そこからあらぬ方向へと進んでいき、SFチックな展開へ。

「ここは託児所」は託児所を開業しようとしている男性2名を女性ライターが取材しているところから始まる。やばい発言、やばい思考、そんなところに乱入者が現れて…。

「最終回」は、文字通り”締め”のようなポジション。どんな話なのかはシークレットなので!

間違いなく演劇であるが、コント的な要素もあり、笑えるところは大いに笑いたい。そしてピリッと効いた真実、光があれば闇もある、潜在的な闇は誰もが抱えている部分、それを時には笑いに変えていく。そこに共感しつつ観客は笑ってしまう。休憩なしの1時間45分ほど。ゲスト出演の面々が劇団員のごとくに馴染み、皆、どこか楽しそうに演じているのが印象的。公演は20日まで。

<「S.ストーリーズvol.1」舞台挨拶付き上映会レポ>

劇団かもめんたるとは?
2015年に始動した劇団かもめんたるは、2013年キングオブコント優勝のお笑いコンビ・かもめんたるが、個性豊かな俳優陣を迎えて送るロングコント・演劇団。
かもめんたる・岩崎う大が原作・脚本・演出を務め、オーディションを通じて所属となった劇団員やゲストの俳優とともに演劇世界を開拓する。
演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチには「演劇ファンにこそ観てもらいたい。こうした得体の知れないベクトルのエネルギーで笑いを志す劇団は、近年珍しいのではないか。」と、高く評価される。
第8回公演「GOOD PETS FOR THE GOD」、第9回公演「君とならどんな夕暮れも怖くない」が第64回、65回岸田戯曲賞最終候補に選出される。

概要
「S.ストーリーズvol.2」
日程・会場:2023年8月12日(土)~20日(日) 座・高円寺1
作・演出:岩崎う大
キャスト:
岩崎う大・槙尾ユウスケ(かもめんたる)
もりももこ・土屋翔・野口詩央(以上、劇団かもめんたる)
マギー
成松修
石井亜早実
高畑裕太(ハイワイヤ)
犬山イヌコ(ナイロン100℃)

公式サイト:https://gekikamogekikamo.wixsite.com/home

舞台写真提供:劇団かもめんたる

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