伝統の大綱引き、6年ぶり開催 区民ら無病息災、子孫繁栄を願い 対戦後「諸人毛遊び」で心一つに 沖縄・宜野湾区

 【宜野湾】戦後4回目となる宜野湾区大綱引き(同実行委員会主催)が13日、宜野湾市のいこいの市民パークで開催された。区民ら100人以上で制作した大綱を引き合い、無病息災や豊作、子孫繁栄を願った。大綱引きは明治ごろの発祥とされ、2007年に復活。以降は5年ごとに開催してきた。今回は新型コロナ感染症のため6年ぶりの開催となった。

 大綱引きは区民が前村渠(めーんだかり)と後村渠(くしんだかり)に別れて競い合う。最初に銅鑼(どら)や鉦子(しょーぐ)をたたき、ホラ貝を吹きながら大綱を運ぶ「道ジュネー」をした後、旗頭らによる「ガーエー」が繰り広げられ、互いの意気を示した。綱引きが始まると、ぐんぐんと後村渠が綱を引き寄せ、間もなく勝利。3連覇した。

 大綱に乗って誘導する「シタク」の大役を担った宮城佳剛さん(33)は「前回は兄がシタクになって連覇した。プレッシャーは相当あったけど、皆で盛り上がり、けがなく終えることができてほっとした」と安堵(あんど)の表情を見せた。志真志小3年の児童(8)は「どんどん綱を寄せて勢いがすごかった」と興奮した様子だった。

 対戦後には勝った方も負けた方も一緒になって勝ち綱を担ぎ、歌い踊る「諸人毛遊(しゅにんもーあし)び」もあり、区民は心を一つにした。

 (古川峻)

© 株式会社琉球新報社