フー・ファイターズのライブにマイケル・ブーブレが飛び入り参加、数か月越しのジョークにオチ

フー・ファイターズの現在のツアー中に、フロントマンのデイヴ・グロールが観客と続けてきたお決まりのやりとりに、誰もが納得する特大のオチがついた。現地時間2023年8月12日に米サンフランシスコで開催された【アウトサイド・ランズ・フェスティバル】に出演したバンドは、何か月も前からずっと続けてきたジョークをここでも繰り返した。マイケル・ブーブレが2009年にリリースしたアルバム『クレイジー・ラヴ』に収録されている「Haven't Met You Yet」(邦題:素顔のきみに)の歌詞を知っている観客がいるか確認したのだ。

このギャグは、「Haven't Met You Yet」の軽快なポップ・フックを面白がるという意図もさることながら、ツアー・ドラマーのジョシュ・フリースの多彩な経歴を鑑みたもので、実際彼はこの楽曲のスタジオ・バージョンでドラムを叩いている。

フェスでのこの瞬間を捉えた映像でデイヴは、ジョシュの長い経歴を称賛したあとにキーボーディストのラミ・ジャフィーに楽曲のイントロの弾むようなピアノを弾くよう指示し、「ここ2、3回のライブで、俺はいつも(観客の方を)見てるんだけど、誰かしら“あのブーブレの歌を知ってる”、“歌わせて”、“あのファッキン・ブーブレ・ソングを知ってる”って言うんだよ」と観客に向かって語っている。

そして、「でもこの歌を知ってるってファッキン言うやつは、毎回このファッキン・ソングを知らないんだ。このファッキン・ソングを知ってる?誰かこのファッキン・ソングを知ってるか?」と、興奮気味に続けた。そして観客の中に“I love Bublé”と書かれたサインを掲げた人物を見つけると、その男性をステージに呼び寄せた。「このマザファッカーは曲を知っているんだろうな!」とデイヴはジョークを飛ばし、「曲を知っているのか?だってみんな知ってるって言うけど知らないんだよ!」と念を押している。

全身黒ずくめの姿でステージに登場したのはほかならぬマイケル・ブーブレ本人で、慣れた様子でマイクの前に立つと、旧友のジョシュのドラムをバックに自曲を完璧に披露した。彼が観客を盛り上げながらコーラスまで歌い終わると、デイヴは、「うん、こいつはなかなかいい。なかなかいいね」と認め、フックを歌ってもいいか尋ねてから歌詞を一部どぎつい内容に変えて歌った。

わざとらしく、「オーマイゴッド、マイケル・ブーブレだ!」と衝撃を受けたフリをしたデイヴは、ツアーでこのやりとりをするたびに、歌詞を知っていると主張する参加者が実際には知らなかったと観客に説明した。そして、「このイケてるマザファッカーは、冗談抜きで、今日この曲を歌うためにアルゼンチンから飛行機で来たんだよ」と明かし、「冗談が過ぎるなんてことはないからね」と語った。

ブーブレが投稿したバックステージでの動画では、彼がついにフー・ファイターズに加入することになったと発表しているが、それに対してデイヴが即座に、「ファック・ユー・ブーブレ!」とツッコミを入れている。

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