連載[味自慢 涼菓編]<5>米粉シフォンサンド(孫作・新潟刈羽村) 旬の砂丘桃&モチモチ生地は相性ピッタリ♡/豆乳使って食物アレルギーにも配慮

フルーツを挟んだ孫作のシフォンサンド。いくつか種類があり、左から砂丘桃、フルーツミックス、メロン

 新潟県の柏崎市、出雲崎町、刈羽村の「食」を訪ねる企画「味自慢」。今回は地元食材を使ったひんやりスイーツ「涼菓」がテーマ。猛暑が続くこの夏、食べれば涼しくなるようなアイスやケーキを紹介する。(5回続きの5)

 刈羽村の夏の味覚「砂丘桃」のみずみずしい果肉を載せた米粉のシフォン生地は、しっとりもちもちとした食感が特徴だ。ほどよく冷えた生地に、桃のさわやかな甘さと香りとカスタードクリームが相まって、滑らかな口どけが楽しめる。

 米粉を使ったお菓子や食品を手がける農業法人「孫作」(刈羽村赤田北方)では、季節のフルーツを挟んだシフォンサンドが人気を集めている。

 中でも、旬を迎えた砂丘桃を使ったものは、この時期だけ食べられる逸品だ。自社で有機栽培したコシヒカリの米粉、地元産の卵、砂糖、米油を使った生地は、きめ細やかで、優しい甘さ。この生地に豆乳を使ったカスタードクリーム、スライスした桃を挟み、その上にさらにクリームと桃の果肉を載せる。

 製造を担当する水品あゆみさん(34)は「また食べたくなるように、しっとりとした食感と、あっさりとした甘さにした。夏になると『桃のシフォンサンドはありますか』と、問い合わせがたくさん来る」と明かす。

フルーツを挟んだ孫作のシフォンサンド。いくつか種類があり、左から砂丘桃、フルーツミックス、メロン

 孫作では、グルテンフリーである米粉に加えて、牛乳の代わりに豆乳を使うなど、アレルギーがある子どもがいる人にも配慮したお菓子づくりにこだわっている。6次産業化に挑戦する中で、アレルギーがある子どもを持つ親たちから要望を受けて、商品づくりを進めてきた。

 2019年に製造加工所を事務所の隣に新設した。水品さんに、遠藤梓さん(36)らスタッフも加わり、和気あいあいとした雰囲気でお菓子づくりを行っている。

 水品さんは「ケーキが苦手でも、うちのシフォンサンドなら食べられるという人もいる」と話す。リピーターも多く、インターネットを通じて、定期的に商品を取り寄せる人が遠く北海道や九州にもいるという。

 水品さんは「アレルギーを気にせず、好きなだけおいしく食べられるお菓子をつくっていきたい」とほほ笑んだ。

◇こだわり農家 孫作 刈羽村赤田北方704の2。砂丘桃のシフォンサンドは1個400円。8月下旬ごろまで販売を予定する。メロンやフルーツミックスなどのシフォンサンドもある。午前9時〜午後5時。日曜、祝日定休。0257(35)8035。米粉のシフォンケーキやベーグルなどを販売するオンラインストアも開設している。

=おわり=

米粉を使ったシフォン生地に、旬を迎えた砂丘桃などを挟み込む孫作のスタッフ=刈羽村赤田北方

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