犬に大声を出すのは絶対にNG!その3つの理由と与えかねない悪影響までを再確認して

犬が大声を嫌う理由

犬は人間と比較すると非常に聴覚が優れた生き物です。「大きな声」や「大きな音」が苦手な理由は、その優れた聴覚と動物的本能が関係しています。

犬は周囲の音を人間よりも広い範囲で感じ取ることができ、さらに高周波の音も聞くことができます。大きな声や突然の物音には、犬の耳や神経系に強い刺激を与えるため、不快に感じることがあるのです。

また、犬は本能的に警戒心や恐怖心から、大きな音を避ける傾向があります。大きな声や急な音が鳴ると、犬は興奮してしまい逃げたり身を守ろうとすることがあるのです。

犬は社会的な動物なので、飼い主さんをはじめとした「人間」や「他の動物達」の声を理解し、意味を感じとることができます。大きな声を出されてしまうと犬は驚きや恐怖と共に不安感を抱いてしまう可能性があるのです。

犬が大声を出された時どんな心理になっているのか、また与えてしまうかもしれまい悪影響をまとめてみました。

犬に大声を出すのが絶対にNGな理由3つと与えかねない悪影響

1.ストレスや不安を与えてしまう

大声は犬にとって驚きや恐怖の対象になります。犬は聴覚が優れているうえに、とても感受性の強い生き物なので大声に対して敏感に反応してしまうのです。

飼い主さんが大声を出すことで犬へのストレスが大きくなり、過剰な不安感を与えてしまう可能性があります。

2.信頼関係が損なわれる危険性

大声に対して恐怖を感じてしまう犬にとっては、信頼している飼い主さんの大声でもあっても「怖い」と感じてしまうもの。あまりにも大声に対して苦手意識が強い犬の場合、信頼関係が崩れてしまう危険性もあります。

飼い主さんが愛犬を叱っているわけではなくても、大声を出している飼い主さん自体が怖いのです。飼い主さんに悪気はなくても咄嗟に出てしまった大きな声に委縮してしまうタイプの個体もいるはず。愛犬との信頼関係はとても重要なものなので十分に注意して下さい。

3.健康を害する危険性

犬は人間以上に音に敏感な生き物。大声を浴びせられると犬の聴覚に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに長期間にわたって大声をかけ続けられると、ストレスや不安感から体調を崩してしまう可能性もあるでしょう。

犬が好む「声の特徴」や「声のかけ方」は?

犬は大声が苦手ですが、愛犬にたくさん声をかけてあげることはとても大切なこと。コミュニケーションタイムにはもちろんのこと、忙しくて構ってあげられない時にも「あとで遊ぼうね!」や「いい子だね」などと声をかけてあげると寂しさが軽減されます。

また犬に好まれる人の特徴は声にあるとも言われるほど、犬は「音」に敏感です。愛犬が安心できて喜んでくれる声のかけ方もまとめてみました。

1.穏やかで優しい声

犬が好む声の特徴は、比較的高い声でゆったりとした口調になります。男性よりは女性の声を好む傾向が強く、柔らかさを感じられる声には安心するようです。

愛犬に話しかける時はを少し声を高めに、ゆっくりとした口調を意識すると愛犬は安心感を抱いてくれるはずです。

2.叱る時は短く一喝

イタズラしている愛犬に「ダメなことだよ」と教えるために叱ることもありますよね。愛犬を叱る時にも大声は厳禁です。感情的になるとつい大きな声で叱りそうになるかもしれませんが、必要以上に恐怖心を与えてしまうと信頼関係が崩れてしまいます。

愛犬を叱るのはタイミングも大切。イタズラをしている最中に現行犯で叱りましょう。声のトーンはいつもより少し低めを意識して、冷静に落ち着いた口調で短く「ダメ」「イケない」などのコマンドで一喝しましょう。

長い時間叱り続けることもストレスになってしまうので、手短に済ませてあげましょうね。

3.優しい表情と気持ちを込めて

私たち人間の声はとても感情が現れやすいものです。また犬は人間の感情を読み取ることがとても上手な生き物なので、気持ちがこもっていない言葉であれば見抜かれてしまいます。

褒める時には愛犬に伝わりやすいよう、少し大げさにとびっきりの笑顔で褒めてあげましょう。また愛情を伝える時には気持ちを込めると共に、優しい表情も意識してみて下さい。

まとめ

犬は一般的に大きな声に敏感で本能的にそれを避ける傾向があります。愛犬とのコミュニケーションタイムには、穏やかで優しい声を使うことで安心してくれるはず。たくさん優しい声をかけてあげましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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