【台風7号】「起きろ」懸命の救出劇 京都・綾部で川あふれる 水位急上昇「まさかここまで」

台風7号による大雨で床下浸水した飲食店(15日午前11時40分ごろ、綾部市物部町)

 台風7号に伴う大雨の影響で綾部市物部町では、15日午前1時半ごろ、犀川の水があふれ、民家7軒が床上浸水、21軒が床下浸水した。逃げ遅れた高齢女性1人が市消防本部や地元消防団にボートで救出された。

 救助した消防団員によると、女性にけがはなく、近くの避難所で一夜を過ごし家族が迎えに来たという。

 近くで居酒屋を営む男性(52)が周囲の道路が冠水しているのに気づき、「起きろ」と大声を上げながら民家のベルを押したり戸をたたいたりして、住民に避難を促したという。

 男性の店は床下浸水の被害に遭った。7月末に開店したばかりといい、「どんどん水位が上がり、床上まで来るのではないかと不安になった。店は当分開けられない」と肩を落とした。

 別の男性(69)宅は床上浸水し、玄関に土砂がたまった。2018年7月の西日本豪雨でも浸水被害に遭ったといい、「まさかここまで雨が降るとは。5年前より勢いよく水が入ってきた。当面は片付けに追われる」と嘆いた。

床上浸水した民家の女性を救助する消防隊員ら(15日午前1時半ごろ、綾部市物部町)=市消防団員提供
台風7号に伴う大雨で15日未明に氾濫し、家屋の浸水被害が相次いだ犀川(15日午前11時40分ごろ、綾部市物部町)

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