【SNS特報班】熊本 熊本日日新聞プラン 阿蘇回りパワーもらう

 宮崎日日新聞、西日本新聞、熊本日日新聞、南日本新聞の4紙が実施した「旅」についての合同アンケートでは、各県の読者に「県外の人は知らない穴場のおすすめ観光スポット」を尋ねた。寄せられた回答から、各紙の記者が作成した「とっておき九州旅」を紹介する。

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 熊本日日新聞の提案は「マイナスイオン浴びまくり! 阿蘇の外側ぐるっと! 夏の女子2人旅」。九州4紙のアンケートでも「行きたい」との声が多かった阿蘇の、真ん中ではなくあえて外輪山沿いをぐるっと回って自然のパワーをもらってきた。
 御船町の七滝は、熊本市の公務員女性(60)が「誰もいないパワースポット」として薦めてくれた森の中の滝だ。7段になって落下する滝の「これでもか」という水しぶきに、マイナスイオンをしっかりと感じた。
 昼食は山都町の完全予約制カフェ「ゆずの木 ねむの木 みずたまの木」で。阿蘇五岳も望める森の中のおしゃれなテラスで、野菜たっぷりのプレート料理を楽しめる。

阿蘇五岳も望める森の中にある完全予約制のカフェ。山都町の旬の農作物を使った料理が味わえる。写真映えも抜群=熊本県山都町

 今秋にも国宝に指定される見通しの通潤橋へも足を延ばす。今も約100ヘクタールの田を潤す現役の水利施設で、江戸時代の石工の技術を結集した石造アーチ橋は豪快な放水でも有名だ。
 長さ390メートル、高さ140メートルの鮎の瀬大橋で、眼下に緑川の渓谷を眺めてから、標高約400メートルに位置する「菅迫田の棚田」に到着した。熊本市の会社役員女性(61)は、大橋から棚田にかけての一帯を「清らかな水のせせらぎ、透明感のある空気、心が洗われます」と紹介。その通り、なんだか懐かしい日本の風景がそこにあった。
 ホテルでの夕食後は車で約20分の清和高原天文台を訪ねた。標高700メートルの場所にあり、夏の大三角や天の川などの星々を肉眼で目に焼きつけた。
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 翌日は高森町の上色見熊野座(かみしきみくまのざ)神社へ。道中、阿蘇五岳の通称「涅槃(ねはん)像」も見られ、ドライブにはもってこいのルートだ。神社周辺はひんやりとして空気が違うと感じる。漫画「夏目友人帳」で知られる緑川ゆきさん原作アニメの“聖地”にもなっていて、外国人観光客もしきりに写真を撮っていた。

 阿蘇市波野を通って南小国町の「押戸石(おしといし)の丘」へと車を走らせると、阿蘇らしい草原の景色が見られる。丘は古代人の祈りの場所だったとされ、シュメール文字が刻まれているという「鏡石」や、磁気を発する「押戸石」などの巨石群が広がる。実写版「進撃の巨人」の映画のロケ地にも使われたパワースポットで、古代人の気持ちを想像してみた。 
 最後の目的地は小国町のはげの湯温泉「くぬぎ湯」。入浴客は温泉の蒸気で食材を蒸す「地獄蒸し」を無料で利用できる。蒸した野菜は驚くほど甘かった。湯上がりはお肌の調子もグッド。おなかも心も満たされた2日間は、女同士だけでなく、カップルにもお薦めの旅だった。
 (熊本日日新聞社提供)

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