大槌の梅、進む特産化 甘輝舎と盛岡農高、甘露煮を試作中

釜石地域で生産した梅で作った甘露煮などをPRする盛岡農高食品科学科の2年生

 大槌町末広町の食品製造業甘輝舎(かんきしゃ)(倉本栄一代表取締役)は、地元産の梅を使った特産品のレシピ開発に本腰を入れている。昨年の梅ジャムに続き、盛岡農高食品科学科とタッグを組んで新たに甘露煮を試作中。梅製品の専用工房の開設準備も進めており、栽培から製品加工、販売まで一貫した体制を目指す。

 レシピは同校の生徒が考案。梅は種を抜き、砂糖が染み込むよう剣山で無数の穴を開けじっくり煮込む。梅の形が残る甘露煮は、パンやゼリーなどの料理に活用しやすいという。同校では甘酸っぱさを生かしてダークチェリーの代用や、カスタードクリームと合わせる焼き菓子などへの活用を検討している。

 同社は大槌町と釜石市の生産者、酒造会社浜千鳥(新里進代表取締役)で組織する釜石地方梅栽培研究会の一員。甘露煮の原料には浜千鳥が梅酒製造で使った漬け梅を活用し、食品ロス削減にも寄与する。浜千鳥は年間約2トンの漬け梅を廃棄していたが、年々活用が進み2022年度は甘輝舎や県外業者などによって廃棄ゼロを達成した。

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