夜の寺にカッパの熱気…!? 伝説から生まれたフォークソングで「河童踊り」 福井県美浜町で初披露

納涼盆踊りで初披露された河童踊り=8月13日夜、福井県美浜町佐田の帝釈寺

 河童民話が伝わる福井県美浜町佐田にある帝釈寺の納涼盆踊りで8月13日夜、佐田伝統文化保存会など考案の「河童踊り」がにぎやかに繰り広げられた。河童の着ぐるみも登場。お盆で帰省した人らが踊りの輪に加わり、会場は夜遅くまで熱気にあふれた。

 同町佐田には、悪さをした河童を村人が縄で縛り、命を助ける代わりに証文を書かせたという民話「河童の詫び証文」が伝わっている。地元のシンガー・ソングライター、向日葵(本名・鈴木寿紀)さんがフォークソング「河童の川太郎」を作り、保存会メンバーの中野健治さん(72)が振り付けを考えた。住民は公民館に集まり練習を重ねてきた。

 納涼盆踊りは4年ぶりで、河童踊りは初披露。帝釈寺までの沿道には美浜東小の児童が描いた河童のイラスト入りの竹灯籠約200個が並んだ。

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 会場では向日葵さんがギターをかき鳴らして生歌を披露。やぐらを囲み境内で輪になった住民らは、歌に合わせて、川を泳ぐ河童のように平泳ぎの動きをしたり、民話に基づき河童が村人に頭を下げるしぐさをしたりと、リズムの良い踊りを披露した。伝統の「すてな踊り」や民謡踊りも行われた。保存会が作った河童のイラストの焼き印入りクッキーも販売された。

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