天皇陛下は過去顧み深い反省、総理加害に触れず

 2023年度全国戦没者追悼式が終戦記念日の15日、都内で催されたが、岸田文雄総理の式辞の中には「歴史の教訓を深く胸に刻み」との言葉はあったものの、過去の加害責任への反省の言葉はなく、歴史認識に甘さが否めなかった。一方、天皇陛下はお言葉の中で「過去を顧み『深い反省の上に立って』再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願っている」と史実を直視されたうえで、戦没者の冥福を祈られた。

 岸田総理は「戦後、我が国は一貫して平和国家として、その歩みを進めてきた」とし「戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを今後も貫いていく」と誓うとともに「未だ争いが絶えることのない世界にあって、我が国は積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携え、世界が直面する様々な課題の解決に全力で取組んでいく。今を生きる世代、これからの世代のために国の未来を切り拓いていく」と現在、未来への平和努力をアピールした。

 国際社会との連携では岸田総理は17日から米国を訪ね、18日にキャンプ・デービッドで日米韓首脳会合に出席し、北朝鮮への対応とともに法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化へ日米韓3か国の戦略的連携強化へ意見交換することにしている。日米首脳会談、日韓首脳会談も予定している。(編集担当:森高龍二)

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