【徳島県鳴門市】かっこよさだけじゃない、本質を見極める「集団」に 有限会社 データプロ 代表取締役/影本 陽一 さん

目前には小鳴門海峡が広がり、観光スポットとしても有名な「鳴門の渡船」の乗り場から徒歩数分の場所にそのオフィスはあります。「以前から『鳴門』という場所が好きで、いつかは鳴門市内に会社を構えたいと思ってたんです。鳴門の企業様から継続的な仕事の発注を受けたこともあり、拠点を置くことで企業様との距離感、人材の採用面でもメリットがあると感じました」。そう話すのはWeb制作会社「有限会社 データプロ」の代表取締役・影本 陽一さん(38)。本社のある三好市、そして徳島市に続き、平成29年11月に県内3箇所目となる鳴門オフィスを開所しました。

「私の実家が三好市池田町という『山の民(たみ)』なので、海に対する憧れがあったのかも。地元には『祖谷のかずら橋』という観光名所がありますが、年間に訪れる観光客が約30万人。『鳴門の渦潮』はその倍の約60万人です。観光地としても魅力のある鳴門市で仕事をするのはひとつの夢でした。そして鳴門市はクリエーターのリクルートを含め、まだまだビジネスの可能性がある場所だと思います。鳴門へ進出する際、鳴門市役所から市外事業者誘致支援事業補助金(現:サテライトオフィス等誘致支援事業補助金)による支援が受けられたこともコスト面で進出のプラス材料になりました」

平成13年の創業以来、ウェブコンテンツ制作事業を中心に成長を遂げてきた同社。県内では「徳島でWeb制作会社といえばデータプロ」と言われるほどの存在となり、東京をはじめとする県外の案件も「売上の約40%をしめる」というほど全国にもその名を轟かせています。これまで受注した2,000件以上ものホームページ制作の実績とその経験を活かし、現在ではシステム開発をはじめ、パンフレット・チラシ制作、動画制作・編集など、幅広い顧客ニーズに対応しています。

「大学をドロップアウトしたあと、大阪でアメリカンバイクのカスタム会社で3年半ほど働いていました。その後Web業界に足を踏み入れ、25歳の時に結婚を機に帰郷。地元で父親(現会長)が開業していた同社で営業として働くことになったのですが、当時の事業は経理ソフトの販売が中心でした。『今後はWebの時代が来る!』と父親に直談判し、Web制作の仕事をさせてもらうようになったのが始まりです。内心『意気込んでみたは良いものの、はたしてこんな山奥にWeb制作の需要があるのだろうか……』と弱気になったのも事実ですが(笑)」

ネット黎明期ということに加え、自身の営業力を活かし、Web制作事業はまずまずの滑り出しだったそう。受注する案件が増えていくなか社員も4名に増え、2012年に影本さんは同社の代表取締役に就任しました。この時はまだ下請けの仕事が中心でしたが、次第に大きな仕事も舞い込んでくるようになり「若さもあり、猪突猛進でしたね」と振り返ります。

「私が社長に就任した直後に社員4名の内3名(デザイナー・コーダー・Webデザイナー)が離職してしまったんです。産休など理由は様々ですが、結果、会社に残ったのは父と私とWebディレクターのみ。早々にピンチ到来です。進行していた制作案件も多く、社内だけではどうしようもなかったため、助けを求めて徳島県内の制作会社を訪ね歩きました。その時に出会ったのが現在のグループ会社のひとつである『株式会社コバヤシ』さんです」

以来、外部の制作会社と協業することで受注数は増えていき、元請け案件の割合も多くなっていった——という影本さん。社内においても人材強化を求め、2013年には徳島市内の中心部にオフィスを開所しました。時代はITの全盛期。瞬く間にスタッフは増え「半年ほどで手狭になり、引っ越すことになった」といいます。同社はその後も四国内で事業を展開し、2018年にはついに『東京ラボ』と銘打ち東京進出を果たします。

「東京はやっぱりトップクラスが集まる先進的でクリエイティブな場所。ただ、弊社のレベルも思い知らされました。県内では名前が通るようになっていましたが、東京では無名の存在です。日々刺激と知識を吸収しながら地道な営業活動を重ね、少しずつですが仕事もいただけるようになりました。しかし、コロナ禍で状況は一変。一時撤退という苦渋の決断をしましたが、ありがたいことに今でも東京からたくさんの仕事をいただいております。徳島に居ても東京クオリティーの仕事が出来るという自負はありますが、人材育成のことも鑑み、いずれまた世の中が落ち着いたら『東京ラボ』に再チャレンジしたいと思っています。鳴門に来てから東京・大阪などの都市圏へのアクセスの良さを特に実感していることも大きいですね」

2018年には「株式会社データプロリンクス」を起ち上げ、2021年には先述したWeb制作会社「株式会社コバヤシ」と資本提携を結びグループ化。事業内容を本格的に拡大し、単なるWeb制作会社ではなく『人に伝える総合力』を持った会社へと変貌を遂げようとしています。

「カッコ良くてオシャレなサイトを作れる人や会社、ツールは世の中にたくさんあります。現在我々が目指すべき所は『VI(ヴィジュアルアイデンティティ(Visual Identity))』をお客様と一緒に考え、そして一緒につくる会社になること。Webサイトの制作だけに限らず、お客様(会社)の魅力や価値、コンセプトをあらゆる手段で可視化し、より良い結果を創り出すお手伝いができればと考えています」

そのために同社が現在、特に力を入れているのが「要件定義」だといいます。クライアントの求めるゴールは一体何なのか?結果を出すために必要な課題解決はクライアントが求めているものが正解なのか?といった本質を見極める作業に重点を置いています。2022年には制作費無料の月額9,800円からホームページが持てる、サブスクリプション型のホームページ制作サービス「moteba(もてば)」をデータプロリンクスで本格始動。これも「制作料が高い」「制作に時間がかかる」「知識がない」といった顧客ニーズを受け、実現したものです。

「カッコ良い、オシャレ、だけで物が売れたり人が集まる時代は終わりました。弊社もスタートアップ時には『四国で一番自由なクリエイター集団』を謳っていましたが、今はベンチャー感だけでなく『安心・安全』をキーワードにお客様に選ばれる会社になろうとリブランディングしている最中です。老舗感……というと少し違いますが(笑)、お客様にとって本当に必要で、最も頼りにしていただける身近な会社になれたら嬉しいですね」

【企業情報】
企業名:有限会社 データプロ
住 所:徳島県三好市池田町サラダ1674-1(阿波池田ヘッドオフィス/本社)
徳島県徳島市東新町1丁目9番地サマンビル1F(徳島オフィス)
徳島県鳴門市撫養町黒崎松島45-61 エムアイシービル1F(鳴門オフィス)
設 立:平成13年1月4日
業 種:ホームページ制作・開発、パンフレット・チラシ制作、動画制作・編集など

【お問合せ】
TEL:0883-72-0523
HP:https://dp778.co.jp/
MAIL:contact@dp778.co.jp

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徳島県鳴門市役所では、事業拡大・雇用拡充・生産性向上・業務効率化等を図り自社を成長させたい地元企業をインタビューし、地元企業の認知度向上と、市内外企業とのつながり創出する事業を行っています。この動画は、市職員が直接地元企業を訪れ、撮影・編集を行ったものです。 特設サイトでは、ほかにも熱い思いをもつ鳴門市の企業のインタビュー掲載していますので、ぜひご覧ください。

【NARUTO.biz】

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