十字架やベールと調和した黒のドレスをまとったマドンナ ジャンポール・ゴルチエ追うドキュメンタリー出演

2023年9月29日より劇場公開される、フランスの世界的ファッションデザイナー、ジャンポール・ゴルチエの自伝的ミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」の舞台裏を追ったドキュメンタリー映画「ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇」から、マドンナが出演するシーンの映像が公開された。

公開されたのは、2018年のメットガラにマドンナが登場した際の映像。メットガラはニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年開催されているファッションの祭典で、2018年は「カトリック」がテーマだった。ゴルチエはマドンナのために十字架やベールと調和した黒のドレスをデザインし、自らは神父風の衣装に身を包んだ。

映像では、二人が控室で談笑しながら衣装合わせを行っている様子が映し出され、マドンナとの出会いについて語るゴルチエのナレーションが流れる。ゴルチエは「(マドンナには)デビュー当時から注目していた。英国人だろうと思ったよ。服選びが上手だからね」と冗談交じりに語る一方で、「彼女のスタイルは、僕の感性にとても近い」「類まれな人物だ」とマドンナに対して最大の賛辞を送っている。

ゴルチエとマドンナは旧知の仲で、マドンナの衣装を手掛けてきた。なかでも有名なのが、1990年のワールドツアーの「ブロンド・アンビション・ツアー」でマドンナが身にまとった「コーンブラ」。女性のパワーと解放の象徴としてデザインされたこのアイテムは、フェミニズムやジェンダーフリーをいち早くうたい上げたゴルチエの先見性とともに、伝説的な存在となった。

「ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇」は、2018年秋にパリで上演された「ファッション・フリーク・ショー」の舞台裏を追った作品。1980年代よりファッションデザイナーとして第一線で活躍し続けるジャンポール・ゴルチエが、自身の半生を題材に、ゴルチエ特有の豪華な衣装、オリジナルの音楽やハイスタイルな振り付けで観客を魅了する舞台は、2年もの歳月を制作に費やしていた。マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴ、マリオン・コティヤール、ロッシ・デ・パルマをはじめとする世界的なセレブまでをもとりこにした、ぜいたくで心穏やか、過剰かつ詩的なゴルチエの世界観。その世界的なショーを作り上げるまでの背景に迫ったドキュメンタリーとなっている。

監督を務めたのは、これまでフランスの柔道家テディ・リネールのドキュメンタリーや、フランスのエマニュエル・マクロン大統領のドキュメンタリーを手掛けてきたヤン・レノレ。マドンナのほか、名優カトリーヌ・ドヌーヴやマリオン・コティヤール、アルモドバル監督作の常連俳優ロッシ・デ・パルマ、ディスコ&ファンクミュージックの巨匠ナイル・ロジャースなどが出演している。

【作品情報】
ジャンポール・ゴルチエ:フリーク&シック
2023年29日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテ他全国順次公開
配給:キノフィルムズ
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