三菱ラリーアート、王者ヨータ―が4番手に浮上。レグ1の一部が無効となり上位は接近戦に/AXCRレグ2

 8月15日(火)、AXCRアジアクロスカントリーラリー2023の競技2日目となるレグ2がタイ南部で行われ、3台の新型ミツビシ・トライトンで同ラリーに参戦しているチーム三菱ラリーアートは、“前年覇者”チャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組がステージ2番手タイムを記録する快走を見せ、総合6番手から同4番手に浮上した。

 チームメイトの田口勝彦/保井隆宏組は前日からひとつ順位を落とし総合9番手に。初日に冷却系トラブルに見舞われたリファット・サンガー/シューポン・シャイワン組は総合36番手につけている。

■トップ5のタイム差が1分8秒以内の大接戦

 SS2が行われたレグ2は、プラーチーンブリーからスリンに至る463.04kmの長旅となり、そのうちの競技区間は207.26kmと今大会最長の距離で争われた。引き続きドライコンディションとなったSS2も前日のSS1と同様に、ステージの中間地点に設けられたパッセージコントロール(PC)後にサービスエリアが設定された。

 そんなレグ2では、初日に総合6番手となった“王者”ヨーターが、3時間17分16秒のステージ2番手タイムを記録する快走を見せる。一方、総合8番手につけていた田口はミスコースに悩まされる展開となり、この日は3時間44分58秒のステージ14番手タイム。総合順位をひとつ落とし9番手となった。

 なお、15日の夜に発表された暫定結果では、各選手に改められたレグ1のタイムが与えられている。これはSS1のコース設定にミスがあったことが主催者の再調査によって判明したため当該ステージの前半セクション、具体的にはスタート地点からPCまでの区間タイムやペナルティを“無効”とした結果だ。

 この決定を受けてチーム三菱ラリーアート勢は、ヨーターが2時間7分52秒、田口は1時間56分16秒というタイムを受け取りそれぞれ上位との差を詰める結果に。SS2を終えて総合4番手となったヨーターと、新しいラリーリーダーとなった102号車トヨタ・ハイラックス(TOYOTA GAZOO Racingタイランド)とのタイム差は60秒。ひとつ前のポジションにつける青木拓磨組105号車トヨタ・フォーチュナー(TOYOTA GAZOO Racingインドネシア)とは8秒差だ。

 また、田口も前日から順位を落としながらも、レグ1暫定結果では約44分差だった首位とのギャップが17分6秒に縮まった。なお、SS1で不運なトラブルに見舞われたサンガーは、前日の指定ポイント不通過のペナルティを受けたことに加え、レグ2でも後れを取り総合36番手となっている。

田口勝彦/保井隆宏組(ミツビシ・トライトン)はミスコースにより順位を下げるも、レグ1の新タイム付与により上位とのタイム差が縮まった。

■「徐々にポジションも上がっていくと思います」

 この日SS2番手タイムを記録したヨーターは、「明日は一番を狙う」と意気込む。

「今日は、ほぼ良い一日だったと思う。ハイスピード区間ではペースをつかむためにプッシュし、もっとも速い走りを目指した。岩の多いセクションではマシンを守り、ダメージを受けないような走りに努めた」

「もちろん明日は、今日よりも良い結果を得られるよう頑張るつもりだ。ひと言で言えば、明日は一番を狙うよ!」

 大会連覇を狙うチーム三菱ラリーアートを率いる増岡浩総監督は、「2日目が終わり、チャヤポン(・ヨーター)選手と田口(勝彦)選手は快調に走っています」とコメント。

「チャヤポン選手は総合4番手と、いい順位で走れていると思います。田口選手は残念ながらミスコースで遅れてしまった部分がありますが、いずれにしてもクルマの仕上がりはいいので、これからペースを上げていきたいですね」

「明日からは中盤戦です。路面コンディションが悪くなる可能性もありますが、我々の『トライトン』は、どんな路面でも確実に走る力がありますから、徐々にポジションも上がっていくと思います」

 その競技3日目は、タイ国内での最後のSSとなり、サトウキビ畑やゴム農園が広がるエリア、集落と集落をつなぐ細かい道などバラエティに富んだコースが選手たちを待ち受ける。スリンとウボンラチャタニを結ぶレグ3のSS距離は179.63kmだ。

整備を受ける3台のミツビシ・トライトン(チーム三菱ラリーアート) アジアクロスカントリーラリー2023
リファット・サンガー/シューポン・シャイワン組(チーム三菱ラリーアート/ミツビシ・トライトン) アジアクロスカントリーラリー2023
アジアクロスカントリーラリー2023 レグ2後リザルト(PDFが開きます)

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