元世界6位モンフィス、左膝を負傷も世界13位ノリーに逆転勝ち[ウェスタン&サザン・オープン]

36歳モンフィスが2大会連続でシードを撃破

現地8月15日、「ウェスタン&サザン・オープン」(アメリカ・シンシナティ/ATPマスターズ1000)シングルス1回戦が行われ、元世界ランク6位のガエル・モンフィス(フランス/世界ランク211位)が、第13シードのキャメロン・ノリー(イギリス/同15位)を3-6、6-4、6-3の逆転で下し、2回戦へ。この北米シーズンから調子を上げている。

36歳のモンフィスは、今季前半戦では右手首の怪我などで調子が上がらず、ツアーでは全仏オープンであげた1勝のみ。2022年1月のツアー優勝と全豪オープン8強のポイントが失効し、ランキングは394位まで落ちていた。

だが、北米ハードコート・シーズンに入り、徐々に勝ち星を積み重ねて前週のATPマスターズ1000トロントでは世界ランク4位のステファノス・チチパス(ギリシャ)を撃破。ベスト8入りを果たし、211位まで上げている。

この日の試合でモンフィスは、第1セット3-4で苦悶の表情を浮かべ、プレーを始めることができない。メディカル・タイムアウトを取って左膝、ふくらはぎを治療した。そのまま3-6でセットを落とす。

しかし、第2セット以降はコートを広く使い、ネットプレーも交えてノリーと打ち合うモンフィス。互いに1度ずつブレークして迎えた5-4の第10ゲームでは長いラリー戦を制してセットポイントを握ると、最後はノリーがダブルフォールト。6-4で第2セットを奪い返すと、最終セットも4ゲーム連取を含む6-3で逆転勝ちを収めた。

試合後、モンフィスは、「ただただ自分を信じること。序盤のコンディションは簡単ではなかったが、適応する必要があった」と振り返った。治療をした左膝の痛みの原因についてはまだ探っているところだとし、「フィジオは大きな助けになった。彼は僕を落ち着かせてくれ、それが僕を強くさせた。怪我のことを遮断し、集中する必要があったんだ」と調子が良いというプレーに集中することができたとした。

度重なるケガで長期にわたりツアーを離れることもあるモンフィス。フィジカル面で自身を「疑ったことはない」としつつも、「また戻って、鍛錬を積まなければならないと落ち込んだことはある。復帰するのは簡単だと思われがちで、僕が簡単に動くのを見ているからね」と精神的に苦しい時期があるという。それでも「みんなに試合のことを言われるたびに、『僕は戻ってきたんだ』とうれしくなる。それが報われたということ」とファンを魅了する。

この勝利によりライブランキングでトップ200に復帰。「ランキングはすべてではない」とし、「今の僕にとっては毎週プレーすることが大事。このレベルでプレーを続ければ、ランキングは上がっていくだろう」と目の前の1勝を目指し戦っていく。

2年ぶりとなるシンシナティ大会の2回戦では、アレックス・デミノー(オーストラリア/同12位)と対戦する。

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