鳥取、一時孤立1800人超に 断水も発生、被害各地で

台風7号に伴う大雨で崩落した国道482号。右は佐治川=16日午前9時40分、鳥取市用瀬町

 台風7号で大雨特別警報が一時発表された鳥取県は、16日午後も被害状況の確認を進めた。土砂崩れなどによる住民孤立は一時、最大1800人超に拡大。鳥取市と八頭町の一部では断水が発生した。県は関係機関と災害対策本部会議を開き、今後の対応を協議した。重要文化財の損壊をはじめ、被害は近畿各地で確認された。

 県は川の水があふれて道路が崩落した八頭町への災害救助法適用を決定。道路の応急復旧に向けて、崩落箇所に大型土のうを積み、車線を確保する作業を始めた。

 鳥取市佐治町の加瀬木地区では、水道管が通る橋が崩落し、断水。住民の西尾英一郎さん(88)は「家に被害はなかったが、水が出ないと生活がとても困る。復旧の見通しも立たないようで、今後どうなるのか」と話した。

 負傷者は大阪府で新たに1人増えて12人となった。滋賀県彦根市は、重要文化財の彦根城天秤櫓でしっくい壁が縦約1.1メートル、横約1.8メートルにわたって剥がれ落ちたと発表。京都市の世界遺産・二条城でも、敷地内で土塀のしっくいが剥がれる被害があった。

台風7号に伴う大雨で佐治川が増水し、一部が崩落した高山橋=16日午前11時43分、鳥取市

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