内閣支持率は危険水域?2023年8月の最新世論調査結果を発表!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年8月15日に公開された動画のテーマは……2023年8月ハイブリッド意識調査!毎月恒例、電話とネットのハイブリッドで行う最新結果をご紹介。

ゲストにJX通信社の米重克洋氏をお招きし、最新の政党・内閣支持率などの意識調査の結果について語っていただきました。

【このトピックのポイント】
・政党支持率は、引き続き維新に勢いあり
・内閣支持率は前月より下落、危険水域に?
・無党派層の次期衆院選比例投票先でも自民党が下落

政党支持率調査結果

2023年7月(前回)の支持政党率

先月は、維新が初めてこの電話調査で立憲を上回ったことが大きなトピックでした。

前回から今回の調査までの期間にあった主なトピックはこちら。

・自民党女性局フランス視察批判
・秋本真利議員 贈収賄疑惑
・維新馬場代表「共産党なくなったらいい」
など

国会が閉じてから支持率や政局に大きな影響力を与える動きは比較的少ない一方、SNSを中心に話題になるできごとがあったのが特徴的です。

米重氏「どちらかというと、今後の展開が気になるできごとが起きたなという気がします。」

2023年8月(今回)の支持政党率

比較的小動きといえます。立憲と維新の関係は、数字上は立憲のほうが大きくなっているものの、この調査の特徴上、電話調査が立憲が高く出る、ネット調査では維新が高く出る傾向がありますので、「維新のほうに若干勢いがあるのは変わらない状況」と、米重氏は解説します。

自民党は比較的、電話調査において引き続き低い水準にあると言えますが、それ以外の変化は比較的少ないという結果になりました。

2023年8月の内閣支持率の推移

MC千葉佳織「不支持がネット、電話含めて3%くらい増えている状況ですね?」

支持が減り不支持が増えている状況がなお続いているといえる、というのが米重氏の見立てです。

先月は国会が閉会したため、各社調査のトレンドを見ても下がり方が弱まった感覚がありましたが、今月の調査でも引き続き下がっているため、電話調査中心に見ていくと「自民党を強く支持する層があまりいない」と言えます。

米重氏は、安倍政権と大きく違い、岸田政権の支持基盤の脆弱さというか、消極的な支持に支えられる内閣であるといえると読み解きます。

米重氏「今の内閣の支持率は危険水域といってもいいくらいの数字にはなってきているかなという感じになっています」

MC千葉「そこまで入ってきていると」

米重氏は、時事通信の直近の調査を参照し、青木率(自民党支持率+内閣支持率が50%を下回ると危険水域という指標)に照らして、現在の47%(自民支持率21%+内閣支持率26%)という、内閣支持率の低下を指摘します。

この青木率を菅内閣が終わった時と比べると、菅内閣末期の2021年8月ではまだ50%を超えていました。

米重氏は、数字だけで見ると弱い状況であると指摘します。

MC千葉「先月のマイナンバーの影響が続いているのか、1か月であった出来事が影響しているのかだと、どう見ていらっしゃいますか?」

米重氏は、マイナンバーの問題が下地にあって続いているのはもちろんあるとした上で、悪いことが続いたというより、いいことがなかったということが大きいと指摘します。

加えて、自民党の中で岸田首相を降ろそうという動きがないことに触れ、この点が菅内閣の末期と大きな違いがあると説明します。数字を見た上では直近で政局になるとは考えられないが、解散時期にどう影響するか、注目していかなければならないと述べます。

MC千葉「いいことがなかったのはかなり発見だなあと思いますが、いいこととはG7に出席することとかでしょうか?」

米重氏は、この人だからこれができたんだというわかりやすいイベントがあれば、内閣支持率が上昇する可能性を示唆します。

たとえば、岸田首相は6月の通常国会終了時、政策をアピールする記者会見を自ら開きましたが、こういったものが国民の琴線に触れるように届いたのなら反転のチャンスがあったかもしれないと指摘します。

今、下地の問題としてマイナンバーという悪い問題が出てきてしまっているので、この問題をひと区切りつけて、いい問題をいかに積み上げていけるかはひとつのテーマだと指摘します。

安倍政権や小泉政権のように、歴代で比較的長い期間政権運営した人たちを思い返すと、小泉政権で言えば田中真紀子外務大臣を更迭して支持率がフリーフォールのように落ちましたが、その後に北朝鮮の問題や外交によって巻き返していった事例があります。

安倍政権でも、同じように安保法制などで支持率が落ちた後に、新しい政策テーマを出していって、繰り返し下がった支持率を上げることによって、長期政権を維持したことがありました。

米重氏「政権の動き方次第で、カードとしては切れるものはいろいろあるのではないでしょうか」

MC千葉「下がったモノをどう上げられるかと、何度繰り返すことができるのも、政権の長さになっている可能性があるんですね」

次期衆院選比例投票先

電話調査で、自民党が若干低く出ている傾向が見られます。

米重氏は、支持率も長めのトレンドで見た時には、各社の調査をおしなべて見て共通していること、低下した分が維新や立憲、無党派層になびいていると推測します。

米重氏「比例で自民で入れようと腹を決められるマインドや状況ではないということですね」

MC千葉「自民がだんだんだんだん小さくなっているように見えます」

米重氏は、無党派層が野党よりにシフトしてきているように感じ、直近で解散を打てるかどうかの判断に関わってくると指摘します。

2023年4月と比較しても、ここまで自民党が期待感を打ち出せない、政党支持率や比例投票先に大きなダメージが見えてくる状況に至ったことは「少し意外だ」と語ります。

その上で、「自民党が岸田さんを変えることにはなりにくい」とし、岸田内閣自身がモメンタムをいかに立て直すことができるかが、今後の政権の命運がかかっていると述べました。

動画本編はこちら!

内閣支持率は危険水域に?岸田内閣への影響は?

今週の選挙ドットコムちゃんねるは火曜日21時、水曜日から日曜日は18時に公開!

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調査概要

調査は令和5年8月12日(土)と13日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で997件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査はスマートフォンアプリ(Gunosy)のダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。各数値は小数第2位以下を四捨五入。

選挙ドットコムでは、これまでのネット選挙を振り返るとともに、今後の展望や課題について議論する「ネット選挙フォーラム」を2023年8月23日に開催します。
オンライン開催となりますので、ぜひお申し込みください。
詳細・申し込みはこちら https://netsenkyoforum.com/

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