やくも「381系」グッズ人気 記念証とバッジ 住民団体が作製

新型車両投入とともに見納めとなる特急やくも「381系」の記念グッズ

 JR伯備線の井倉駅(新見市井倉)で、間もなくラストランを迎える特急やくも「381系」の記念グッズが販売され、人気を集めている。来春以降、新型車両への順次置き換えが決まっており、名残を惜しむ住民団体が記念証と缶バッジを作製。岡山県内外の鉄道ファンが買い求めている。

 381系は、カーブでも高速走行可能な日本初の振り子式特急型車両として国鉄時代の1973年7月、木曽路を走る特急「しなの」に投入。「やくも」には80年代に導入された。その後、老朽化に伴ってほかの国鉄型特急車両が相次いで姿を消す中、やくもの381系が全国の特急で唯一の現役となっている。

 記念証(縦6.5センチ、横20センチ)は、クリーム色と赤色の「国鉄色」に塗装された車両の写真を表面に配し、裏面に鍾乳洞・井倉洞や蒸気機関車「D51」の展示スポットといった同駅周辺の観光地を紹介。缶バッジ(直径5センチ)は井倉峡を走る姿をデザインした同駅のスタンプ図柄をあしらった。各300円。

 作製は、同駅構内で観光案内所を運営する「井倉駅運営委員会」が手がけた。6月に発売したところ北海道や九州からもファンが訪れる盛況ぶりで、記念証は500枚以上、バッジは700個近く売れているという。

 委員会代表の三吉孝美さん(62)=同市=は「381系は井倉地区の住民も通勤や買い物などで利用する列車。なくなるのは寂しい。記念証にその姿をとどめたかった」とした上で「グッズを買いに来たら井倉地区の観光も楽しんでもらえれば」と話した。

 観光案内所の営業は午前8時半~午後2時半。無休。問い合わせは案内所(0867―75―2125)。

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