“違う”ことは、美しい。世界的デザイナーの半生に迫った「ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇」が公開

ドキュメンタリー映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』が、2023年9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテほか全国で順次公開される。

お針子だった祖母マリーからファッションの基礎を学び、独学ながらその才能を見出されたジャンポール・ゴルチエは、ピエール・カルダンのアシスタントを経て24歳で独立。
最終的にはシャネルやディオールなど、指折り数えるごく僅かなブランドだけが名乗ることができるオートクチュールブランドまで上り詰め、2020年に現役を引退。
自身のブランド以外では最高峰ブランド、エルメスのデザイナーとしても知られている。

コルセットやボーダーを纏ったセクシーな男女のトルソー型香水瓶、ハーネスが付いたフェティッシュなドレス、耳と鼻をチェーンで繋ぐネックレス。そんな、エロティックとファンタスティックが融合し、近未来的でありながら退廃的なゴルチエが紡ぎだす世界観は、後のファッションデザイナーや様々な一流アーティストにも影響を与え続けてきた。

リュック・ベッソンやペドロ・アルモドバル、ピーター・グリーナウェイ監督の映画衣装をはじめ、ピエール&ジルとのコラボアートなど、90年代頃に青春時代を過ごした人にはお馴染みの作品は数多くあるが、中でもフェミニズムやジェンダーフリーをコンセプトにマドンナが1990年のワールドツアーで身に纏ったコルセット衣装「コーンブラ」(後にゴルチエの香水瓶やスーツなどの市販品にもデザインがリメイク)は世代を超えてあまりにも有名。

そんな生ける伝説ともいえるファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエが、自身の半生をテーマに2018年に自ら企画・脚本・演出を手掛け、日本を含め全世界で35万人以上を動員したのが、ランウェイ・ミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」。

今回紹介する映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』は、2年もの歳月をかけ、きらびやかなショーの舞台裏に密着したドキュメンタリー作品。
劇中には長年の親交があるマドンナも登場する。2018年のメットガラ(毎年NYメトロ美術館で開催されているファッションの祭典)でマドンナのためにデザインされたカトリックをテーマにした神秘的な衣装。談笑する女子会的なふたりのバックステージの様子と共に、ゴルチエとマドンナの出会いが語られる。

そのほか、ゴルチエが紡ぎだすゴージャスな衣装と舞台、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴやマリオン・コティヤールなどレジェンド級のディーヴァのカメオ出演も見どころのひとつ。

現在40代後半~の90年代に青春時代を過ごした人にはお馴染みのブランドだけれど、若い世代が触れても色褪せることなく新鮮に映るであろう、ジャンポール・ゴルチエの世界。

彼が手掛けるランウェイ・ミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」の舞台裏で繰り広げられる華やかな衣装合わせやリハーサル、ダンサーや演出のトラブル、チームとの絆。ゴルチエを取り巻く人々との交流とともに明かされるゴルチエ自身の真実。
祖母マリー、テディベア、最愛の恋人フランシス、1976年に24歳で初めてのファッションショーの評価、仕事へのこだわり。世界を魅了したジャンポール・ゴルチエの伝説がいま、紐解かれる。

マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ミュージカル、テディベア……。ゲイのアンテナにビンビンひっかかるパワーワードがひとつの映画になるなんて、もう奇跡なの!「自分らしく生きるには」のヒントがたっぷり詰まったジャンポール・ゴルチエのキラキラした甘くて苦い人生の教科書。これは絶対観るべき作品です!

■ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇
2023年9月29日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテほか全国公開
https://gaultier-movie.jp

ストーリー/ファッションシーンで旋風を巻き起こしてきたジャンポール・ゴルチエがのミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」。その舞台裏はトラブルの連続だった。衣装合わせ、初のリハーサル、ダンサーの故障、演出のいざこざなどアクシデントに見舞われるゴルチエとそのチーム。そして、制作が進むにつれて明かされるゴルチエの真実に迫る。

監督:ヤン・レノレ/出演:ジャンポール・ゴルチエ、マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ロッシ・デ・パルマ、ナイル・ロジャース、マリオン・コティヤール/字幕翻訳:宮坂愛/配給:キノフィルムズ/原題:Jean Paul Gaultier: Freak and Chic © CANAL+ / CAPA 2018

記事制作/みさおはるき(newTOKYO)

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