
先祖供養の送り火として知られ、山腹に「大」の文字が浮かび上がる「大文字焼き」が16日夜、箱根町の明星ケ岳(924メートル)で行われた。壮大な送り火を花火2千発が彩り、集まった地域住民からは歓声が上がった。箱根強羅観光協会主催。
同協会によると、台風7号の接近で開催が危ぶまれたが、山腹に並べられた約200束のシノダケにカバーを掛けるなどして備えたという。たいまつを持つ宮城野青年会員ら有志80人が点火。火の勢いとともに縦横約100メートルの大文字が箱根の山あいに浮かび上がった。
大文字焼きに合わせて帰省したという、小田原市の窪田清美さんは「台風の影響が心配だったが開催されてよかった。地域に伝わる送り火の儀式、伝統を引き継いでいってほしい」と話していた。