リユースの輪広がりを 砺波・いこいの家たかなみ 制服や体操服、譲り受け

無償で譲り受け、希望者に引き渡すリユースコーナー=砺波市高波

  ●無償提供、コーナー開設

 砺波市高波の交流施設「いこいの家たかなみ」に子どもの制服や体操服のリユースコーナーが設置された。まだ着ることができるのに使わなくなった服を譲り受け、希望者に無償で提供する。住民の間で服を捨てずに繰り返し大切に使う「リユース」の輪が徐々に広がっており、環境にやさしい循環型社会への機運が高まりを見せている。

 リユースは市内の保育所、認定こども園、幼稚園、小中学校の制服や体操服で汚れやほつれのない服だけが対象となる。

 地元の子育てボランティアグループ「のびのびひろば」が、まだ着られる制服があるのに、捨てるのはもったいないとの思いから、6月に旧高波幼稚園舎を活用した「いこいの家たかなみ」にリユースコーナーを開設。市民に協力を呼びかけたところ、出町小、砺波北部小、砺波南部小、出町中、般若中の制服や体操服など約30着が集まった。

 コロナ禍に児童生徒が体操服姿で通学する機会が増え、せっかく購入しながら着ないままの新品同然の制服もあり、捨てるのは忍びないとして持ち寄った市民もいるという。

 一方で、来年に小中学校に進学する前に、代替の制服や体操服を求め、リユースの服がサイズに合うかどうかを確認するために足を運ぶ市民が少しずつ増えており、希望者に無料で引き渡している。

 いこいの家たかなみによると、市が以前にリユースを推進するため、無償で譲る人と希望する人が互いに連絡し合う取り組みを行っていたが、制服や体操服を1カ所で集めてリユースコーナーを設けるのは珍しいという。

 施設内では「のびのびひろば」が週4日、「いこいのカフェ」を運営しており、佐藤志穂代表(45)は「気軽に足を運んでもらい、リユース品を無償で譲り受け、希望者にお渡しして再利用の輪を広げていきたい」と話した。

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