氷見沖で「海中熟成酒」 日本酒、ワイン、焼酎を11月初めに投入 実行委が初会合

氷見と大宮の酒を沈める氷見市小境沖周辺

  ●1000本、大宮との交流に活用/寒ブリ時期に飲食イベント

 氷見市とさいたま市大宮地区の地酒を氷見の海に沈めて「海中熟成酒」として、両市の交流に活用するプロジェクトが始動した。約千本の日本酒、ワイン、焼酎を11月初めごろ海中に投入し、来年1月末~2月上旬ごろの引き上げを目指す。運営組織となる「氷見・大宮海中熟成絆酒」実行委員会の初会合が16日、氷見市役所で開かれ、事業の成功を期した。

 海中熟成酒の取り組みは地酒のブランド向上や地域おこしとして全国各地で行われている。氷見市と大宮地区は10年ほど前から商工業者らが交流。氷見の物産展を大宮駅前で開催し、大宮商店街連合会が氷見を訪問するなど、絆を深める中で連携事業として企画が持ち上がった。

 実行委の初会合には氷見市観光協会、市、氷見商工会議所、JA氷見市、氷見市体協、宇波浦漁業組合、酒蔵会社などの関係者が出席した。

 海中に沈める氷見の酒は髙澤酒造場の日本酒、セイズファームのワイン、速川活性化協議会の焼酎を予定する。大宮の酒は今後、大宮側に選定してもらう。

 酒を沈める場所は氷見市小境沖の深さ35メートルの海底で、宇波浦漁業組合が定置網漁をする海域を予定。酒の引き上げに合わせて、大宮の関係者を招いて寒ブリなどと一緒に楽しむイベントを開催する。9月ごろには水深10メートルの場所で試験的に沈める。

 実行委員長に就いた松原勝久市観光協会長は「ようやく準備が整った。事業をどんどん拡大して氷見の名を広めたい」とあいさつした。林正之市長も継続的な事業に期待した。

海中熟成酒プロジェクトで集まった関係者=氷見市役所

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