自転車で「参勤交代」出発なり 加賀の73歳・北野さん「走り抜きたい」

知人に見送られて出発する北野さん(右)=金沢市の金沢城公園石川門前

  ●金沢・石川門―東京・桜田門の500キロ

 加賀藩の参勤交代ルートを自転車でたどる旅に挑戦する加賀市高塚町の北野長俊さん(73)が16日、金沢市の金沢城公園石川門を出発した。旧北國街道の名所や旧跡に立ち寄りながら、約500キロ離れた皇居・桜田門を目指す道のり。加賀藩の参勤交代は平均12泊13日だったが、8日間で走りきる予定だ。準備を重ねてきた北野さんは「先人の足跡に思いをはせながら最後まで走り抜きたい」と意気込んだ。

 北野さんは午前9時半、金沢城公園石川門前で「気をつけていってらっしゃい」と書かれた横断幕を掲げた知人3人に見送られ、ペダルをこぎ始めた。台風の影響が心配されたものの、時折晴れ間ものぞく中、国道359号を東に進み、この日は小矢部市内の宿舎までの約30キロを移動した。

 北野さんの計画では、富山、新潟、長野、群馬、埼玉、東京と参勤交代のルートを巡り、24日に目的地の皇居・桜田門に到着する。道中は高田城(新潟県上越市)、上田城(長野県上田市)を見て回り、最終日は自転車仲間と都内をツーリングする。復路は北陸新幹線で石川に戻る予定だ。

 北野さんは高校生の頃から自転車が好きで、社会人になってからは国内外を自転車で旅した。旧北國街道をたどるウオーキングイベントが近年盛んに行われていることを知り、以前から関心のあった参勤交代の道のりを自転車で走破することを思い立った。

 1月から自転車旅用にアレンジしたルートの選定に取り掛かり、スポーツクラブに毎日通ってランニングやストレッチ、ウエートトレーニングをこなし、体力作りにも励んだ。

 15日に加賀市の自宅を出発する際、旧盆で帰省した3歳から大学生までの孫7人から「頑張ってね」とエールを送られた。北野さんは「参勤交代ルートを走った思い出を孫に聞かせられるよう、たくさんの名所を目に焼き付けてきたい」と話した。

北野さんが走行する予定のルート

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