夏休みの子どもたちが駅員や車掌の仕事を体験 関鉄が「竜鉄子ども鉄道」イベント開催【レポート】

全般検査中で台車やエンジンのないキハ2002をバックに、駅長の制服姿で敬礼する子どもたち(筆者撮影)

茨城県の関東鉄道(関鉄)は2023年8月14日、竜ヶ崎線竜ヶ崎駅で夏休みイベント「竜鉄子ども鉄道」を開催。午前と午後各5組のファミリーが駅員や車掌の仕事を体験した。

竜ヶ崎線の開業123周年を記念する催し。佐貫ー竜ヶ崎間4.5キロを結び、1900年8月14日に開業した竜ヶ崎線の最初の社名は竜崎鉄道。茨城県の私鉄で最古(JR線を除く)、全国で7番目の歴史を持つ。

戦時統合での鹿島参宮鉄道への事業譲渡を経て、1965年には関鉄になった。車両3両で途中駅は入地駅だけ。まるで鉄道模型のようなシンプルな鉄道だ。

竜ヶ崎駅に集合した子どもたちは、車掌班と駅員班に分かれて鉄道社員の仕事にチャレンジした。

車掌班の仕事で開放されたのはキハ2001気動車。子どもたちは運転席に座ってハンドルを模擬操作したほか、マイクを握って「本日は、竜ヶ崎線をご利用いただきありがとうございます」とアナウンスしたが、力が入りすぎて大声になってしまう場面も。

竜ヶ崎駅構内の制御盤を見学。本線(ホーム)が1本と留置線が3本というシンプルな構造だ(筆者撮影)

駅員の仕事は、かつては定番だった改札でのきっぷへの押印が中心だが、ICカード乗車券が普及した最近は、きっぷを買う乗客はほとんどいない。それでも改札に入った子どもたちは、乗降客それぞれに「ありがとうございます」と呼び掛けた。

インターネットが普及した現代、鉄道イベントへの来場者が広域化しているのが特徴。埼玉県から参加した母親は、「竜ヶ崎線を初めて利用して、思い出になりました」と話した。

京成グループの関鉄は、鉄道ファン目線のイベントが盛ん。2023年7月には常総線で引退する「キハ315・316号さようなら乗車会&撮影会」を企画して話題を集めた。

記事:上里夏生

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