「スマホ脳疲労」でうつ病や認知症にもなる!?脳機能低下で起こるトラブルとは【図解 依存症の話】

スマホの使い過ぎで脳機能が低下する!?

スマホの使いすぎが日常化すると、スマホ依存ではなくても「脳疲労」に陥る可能性があります。最近うっかりミスや物忘れが多くなったということはありませんか。ちょっとした空き時間に眺める程度でも、スマホからインプットされる情報の蓄積により、脳の情報処理機能が低下していることもあるのです。情報を処理しているのは脳の司令塔である前頭前野です。大きく 「浅く考える機能」「深く考える機能」「ぼんやりと考える機能」の3つに分けられ、状況に合わせて切り替えています。あまりピンとこないかもしれませんが、ぼんやりと考える機能は「デフォルトモード・ネットワーク」とも呼ばれ、情報の整理をしたり、人生の本質的な問いについ考えたり、クリエイティブな活動にも欠かせない脳にとって重要な役割を果たしています。

情報のインプットが多いと、浅く考える機能はフル回転し、深く考える機能とぼんやりと考える機能は使われず眠ったままに。この状態が続くと、使いすぎる機能は疲弊、使われない機能はサビついて、前頭前野が機能低下を起こします。「スマホ脳疲労」は30~50代に増えており、うつや認知症との関連も指摘されています。皮肉なことに、脳疲労で判断力が低下すると手近な快楽であるスマホに頼ってしまいがち。悪循環を意識して断ち切るようにしたいものです。

スマホの使いすぎで脳にトラブルが起こる!

スマホの使いすぎによる過剰な情報のインプットは「脳疲労」の原因に。脳機能や自律神経にダメージを与え、うつや認知機能低下の原因にもなります。

①浅く考える機能

一時的な情報をメモ的に記憶する、情報や作業を反射的に処理するといった機能。

②深く考える機能

過去に得た情報や経験に基づいてじっくり考える、計画や作戦を練るときにも使われる。

③ぼんやりと考える機能

情報の整理をする他、夢や希望を抱き、創造的な活動をするために欠かせない。

スマホを使いすぎて脳の機能が低下すると・・・・・・

物忘れが多くなってうっかりミスが増える!
集中力が低下したり感情のコントロールができない!
自分を客観視できず身近な快楽に流されやすくなる!

スマホの使いすぎでうつ病や認知症のリスクが高まる!

脳疲労は、自律神経の不調による慢性的な疲れをはじめ、様々な不調を招き、うつ病に移行することも。能の老化も進むため、認知症発症リスクも高まる。

出典:『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』大石 雅之

【書誌情報】
『短時間でしっかりわかる 図解 依存症の話』
大石 雅之 著

特定の物質や行動をやめたくてもやめられない病の「依存症」。スマートフォンの普及や時代の変化にともない、依存症の種類も多様化しました。「スマホ依存」「ゲーム障害」などの言葉は、テレビやインターネットのニュースで目にする機会も増え、社会問題として注目されています。依存症は一度症状が出てしまうと完治が難しい病気です。本書はその依存症について具体例を交えながら、依存する人としない人の違いや依存症の進行の仕方、依存症が起こるメカニズムなどを、メンタルマネジメントや環境、生活習慣の観点から図解でわかりやすく解説。

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