アフリカに武装勢力が集結…堀潤「アフリカの安定が日本の平和にもつながる」その理由とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「New global」のコーナーでは、武装勢力が結集し混沌とするアフリカ大陸について取り上げました。

◆ニジェールのクーデターの裏に権威主義的国家の影!?

西アフリカのニジェールで7月26日、フランスやアメリカなど欧米西側諸国と密接な関係にあったバズム大統領を軍の将校らが追放したと主張。国境の封鎖と全土への外出禁止令を宣言しました。その後、クーデター支持者ら数百人が与党本部を襲撃。なかにはロシアの国旗を振る人や反フランスのスローガンを唱える人も。

このクーデターに対し、アメリカのブリンケン国務長官は「明らかに武力による権力掌握と憲法破壊の試みだ」と批判。また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)もクーデターへの非難を表明。そして、ニジェールの隣国ナイジェリアの前大統領は「これは始まりに過ぎない」と反応しています。

このコーナーでは、かねてから西アフリカで食料生産地を巡って武装勢力が結集していること、それが世界の大きなリスクになっていると伝えてきましたが、今回はそれがまさに現実のものに。

キャスターの堀潤によると、現在アフリカの多くの国で欧米から独立すべきという気運が高まっており、権威主義的国家に傾倒。「武装勢力の活動を支援する権威主義的国家によって、いわば作られたクーデターが起きている」と危惧します。

日本の公安調査庁がまとめている世界のテロ組織の模様を見ると、現在アフリカには武装勢力が集結。アルジェリア、ニジェール、マリ、ナイジェリア、コンゴ共和国、エチオピア、ソマリア、南スーダン、モザンピークなど、アフリカ全土で100以上もの武装組織が活動を活発化させているそうです。

◆アフリカの平和が日本の安定にもつながる!?

気候変動によって食料生産地は減少すると同時に価値が上昇。すると、そうした場所を巡り武装勢力の活動が活発化しますが、一方で現地の若者は貧しく、働く場所もないのが現状。そうしたなかで武装勢力は貧困に喘ぐ若者を取り込み、そうなると武器も必要となり、そこに武器を販売する自由主義諸国も出てきていると堀は指摘。

こうしたアフリカの問題について、堀は「日本にとっても他人事ではない」と強調。というのも、1970年代に西アフリカの経済統合を推進する機関として設立された「ECOWAS」に対し、日本は2000年度から直接拠出を開始。2000年度には人身売買や汚職対策支援として10万ドル、2002年にはリベリア和平会議の支援として10万ドルの資金を投入。また、2011年には駐ナイジェリア大使がECOWAS常駐代表に任命され、日本国としてもアフリカの安定化に寄与してきました。

ただ、権威主義国家が力をつければつけるほど、アフリカも混乱していくのが現状で、堀は「このアフリカの混乱を食い止めることは、やがて日本の安定にもつながる構造になっている」と語ります。

新公益連盟 代表理事の白井智子さんは、「まさにその格差が争いや憎しみを生むということを象徴していると思うが、怖いのは分断」と話し、今後の世界情勢を案じていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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