文科省「少年を犯罪に加担させないために」

 文部科学省初等中等教育局児童生徒課は16日までに全国の都道府県教委指導事務主管課など初等中等教育に携わる関係機関に対し「少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させないために、警察と連携して闇バイト問題を積極的に取り扱うよう」協力方の事務連絡を行った。

 警察庁は「犯罪実行者募集の実態」(少年を「使い捨て」にする「闇バイト」の現実)と題した非行防止・広報啓発活動従事者用資料を作成しており、同資料を参考に取組むよう求めている。

 資料では少年らが「闇バイト」に応募し、犯罪行為に加担するまでの流れの基本パターンを紹介。①自らSNSで「高額報酬」等を検索・応募②犯行グループから連絡が入り、以降、匿名性の高いアプリでやりとり③犯行グループに言われるがまま個人情報を送信④犯罪行為への加担を拒否すれば犯行グループが個人情報を基に脅迫という流れになり、引き込まれてしまう。

 脅迫事例では(1)警察に捕まるリスクが大きいと思い断ると「自宅に押しかける。母親から狙う」と脅され、仕方なく「受け子」をやった。(2)「受け子」の仕事だと分かったが犯行グループから「逃げたらこうなるよ」と男が殴られる動画が送信されてきて怖くなった。(3)途中で詐欺だと気付き「辞めたい」と言ったら「家族全員殺すぞ」などと脅迫されて「受け子」をやらざるを得なかった。

 結果「何度も犯罪行為をやらされ、逮捕されるまで使われ、逮捕されれば見捨てられる(犯行グループは自分たちが逮捕されないよう少年たちを「捨て駒」として利用する)ことを肝に銘じ、絶対に甘い言葉に乗らないことが重要だ。

 犯罪グループがよく使う募集文言として、資料では「高額収入」「高額バイト」「安全に稼げます」「1件10万~、2件いけたら20万」「犯罪ではありません」「学生可能」「初心者大歓迎」「国対応」「保証金なし」「営業で地方へ出張する仕事」「リスク無し」「詳しくはDM」「ホワイト案件」「高校生でもいける」「詐欺ではありません」「誰にでもできる簡単な仕事」などを紹介。

 その際に要求するのは「身分証明書」=「学生証」「運転免許証」「マイナンバーカード」「住民票」「キャッシュカード」など。どろ沼にハマる前に、募集文言にも照らし、十分注意することが大事だ。(編集担当:森高龍二)

文部科学省初等中等教育局児童生徒課は16日までに全国の都道府県教委指導事務主管課など初等中等教育に携わる関係機関に対し「少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させないために、警察と連携して闇バイト問題を積極的に取り扱うよう」協力方の事務連絡を行った

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