被爆体験者も首相面会を 3団体、長崎市通じ要請

 国の指定地域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認められていない「被爆体験者」と支援者らが16日、岸田文雄首相との面会を求め、長崎市に要請書を提出した。市は台風の影響で長崎原爆の日(9日)に来崎できなかった岸田首相と、長崎の被爆者団体との月内の面会に向け調整中。市は「体験者からも面会要請があったことを国に伝える」としている。
 被爆者認定を求め、市や県と係争中の「第二次全国被爆体験者協議会」(岩永千代子代表)など3団体が連名で提出した。原爆の放射性物質を含む「黒い雨」の被害救済を巡り、広島の被害者が被爆者認定される一方で、長崎で黒い雨や灰に遭ったと訴えている体験者が認められていない点などを「不合理で到底受け入れられない」と批判。9日に首相との面会が予定されていたのは被爆者団体だけだが、要請書で「被爆体験者との直接の面会こそ、問題解決の重要な糸口になる」と訴えている。

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