乱歩ゆかりの地で謎解き「池袋ミステリータウン」始動

「少年探偵団」などで知られる日本を代表するミステリー作家、江戸川乱歩のデビューから今年で100年です。乱歩ゆかりの豊島区・池袋で、ミステリーをテーマにした謎解きイベントが始まりました。

記者:「江戸川乱歩が晩年のおよそ30年をこの池袋で過ごしたことから、池袋をミステリーの聖地にするプロジェクトが始まりました」

日本の推理小説の礎を築き、日本推理作家協会の初代理事長を務めた江戸川乱歩。作家デビューから100年となる今年、旧邸宅が残る池袋をミステリーの聖地にしようと、あるプロジェクトが始まりました。

江戸川乱歩の推理小説に登場する「怪人二十面相」が集い、7月、オープニングイベントが行われたのが、「池袋ミステリータウン」です。池袋の街を舞台に、SNSや音声ガイドを手がかりに、架空の殺人事件などの謎を解く体験イベントで、地元の有志で作る協議会が主催し、区や商店街も協力して実施しています。

豊島区 高際区長:「池袋の街を新しいミステリーという文化、こちらのパワーでますます池袋の街中を盛り上げていただけるということで嬉しく思う」

参加者は、池袋に実際にあるカフェや博物館、ホテルなどをめぐり、10を超える謎解きを楽しむことができます。

この日「怪しいアルバイトに潜入する」という設定の謎解きを体験したのは、地元の大正大学の学生です。今回、西巣鴨にキャンパスがある大正大学もイベントに協力していて、学生たちは、特派員として謎解きを体験し、記事にまとめて、SNSなどで発信する予定です。

街を歩きながら何かを探す3人。お目当てのものは、ビルの一角にありました。実際に池袋をめぐり、新たな視点で街見られるのもイベントの魅力の1つのようです。

田中美帆さん:「ミステリー自体は何回か(経験が)あるが、室内に入ってやるものが多く、こうやって街を散策しながら遊ぶ謎解きは初めてで楽しかった」

長岡未紗さん:「普段何も考えずに通り過ぎている場所にもこういうものがある、知らないものに名前がちゃんと付いていたんだと気付きがあり、すごく面白いなと思います」

このプロジェクトに携わり、学生の地域活動を指導する大正大学の高橋准教授は、街の活性化に学生たちが役立ってほしいと期待を寄せます。

大正大学 地域創生学部 高橋若木准教授:「池袋のシティープロモーションという言葉が最近ありますが、街の活性化やブランディングに学生が貢献していくとそういうことを目指している」

楽しみながら池袋の魅力をさらに深く知ることができる「池袋ミステリータウン」。江戸川乱歩の孫である平井憲太郎さんに、この取り組みを江戸川乱歩が知ったらどう思いそうか聞いてみると…?

江戸川乱歩の孫 平井憲太郎さん:「(江戸川乱歩は)文士劇みたいなのは大好きでしたし、人前に自分をさらすことも決して嫌いじゃなかった人なので、結構面白がったんじゃないかな?『一つぐらい俺に作らせろ』と言ったかもしれない(笑)」

「池袋ミステリータウン」は来年1月21日まで開催予定で、公式ホームページなどから申し込みできます。

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