地元経済に大きな影響をもたらしたF1マイアミGP。観光都市におけるグランプリ開催の利点も明らかに

 今年5月に開催された2回目のF1マイアミGPは、最近の報告によると地元経済に大きな恩恵をもたらしたという。

 マイアミ・ドルフィンズのハードロックスタジアム周辺に位置するマイアミ・インターナショナル・オートドロームでのイベントは、2022年が初開催だった。今年の観客動員数は3日間のイベントで27万人を超えた。これは約4万人の増加が見られたということで、主催者は2024年のレースに向けて会場のグランドスタンドの収容規模の拡大を検討している。

『Applied Analysis』社が独自に委託されて行った調査によると、今年のレースが地元経済へもたらした経済効果は4億4900万ドル(約653億円)で、2022年から29%増加した。最初の2年のレースによる効果の合計は7億9800万ドル(約1161億円)になる。

「レースウイーク中の大マイアミ都市圏での観客による支出は1億9500万ドル(約284億円)以上に達し、総来場者数は2023年は15%近く増加した。観光都市でのレースとして、カレンダーにおけるマイアミの地位は際立っている」とマイアミGP主催者は、発表したプレスリリースのなかで述べている。

「レースは雇用機会も提供した。給与と賃金は1億5000万ドル(約218億円)に達し、初年度のレースから41%の増加となった」

「パドッククラブの新たな常設ビルの建設により、5月のイベントまでの数カ月の間に、大マイアミ都市圏では建設関連の経済活動が60%増加し、2億3000万ドル(約335億円)の経済効果があった。

2023年F1第5戦マイアミGP ハードロックスタジアム内に設けられたF1のパドック

 マイアミでのF1イベントは、包括性と多様性へのコミットメントを強調することでも際立っていた。主催者は、マイアミ・ガーデンズ近郊の200人を超える学生が、レースウイークを通じてSTEM(科学・技術・工学・数学)プロジェクトに積極的に参加したことを明らかにした。さらにこのイベントは、過小評価されている起業家を支援する積極的な姿勢を示し、マイノリティが経営する14の業者がマイアミ・インターナショナル・オートドロームの飲食プログラムに参加して、知名度を上げリーチを強化することができた。

 マイアミに大きな経済効果をもたらしたグランプリは、観光都市でF1イベントを開催する利点を改めて浮き彫りにし、現在F1カレンダーの枠を求めるプロモーターたちから寄せられている圧倒的な要求の根拠が示された。

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