原爆のありさま 体験集活用し継承 山陽学園JRC部 校内で初朗読会

冊子に収録されている被爆体験を朗読するJRC部員

 山陽学園中・高(岡山市中区門田屋敷)のJRC(青少年赤十字)部は17日、岡山県原爆被爆者会がまとめた体験集を活用した朗読会を校内で初めて開いた。同会と協力して被爆体験を後世に継承する取り組みの一環。

 同部の高校1年生4人が登壇。同会から3日に寄贈された体験集のうち9編を選んで朗読し、同学年の約260人が熱心に耳を傾けた。

 部員たちは、父の背中にわいたウジを箸で取り除いた話や、終戦後に差別的な発言を受けた経験などを紹介。「目を覆いたくなるようなありさま。真っ黒に焼けた性別の分からぬ人たちがずらりと並んでいた」「子、孫の世代に再び戦争、原爆の被害に遭わせたくない」などと被爆者が体験した光景が目に浮かぶよう抑揚を意識して語った。

 女子生徒(15)は「同級生の口から体験談を聞くことで、胸が締め付けられるような思いがした」と話し、登壇した女子生徒(16)は「子や孫の世代に伝えていくには、私たちが行動しないといけないと改めて感じた」と力を込めた。

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