日航、地方路線充実に意欲 赤坂社長「訪日客隅々に」

インタビューに答える日本航空の赤坂祐二社長

 日本航空の赤坂祐二社長(61)が17日までに共同通信のインタビューに応じ、国内の地方路線の充実に意欲を示した。離島など、交通の便が悪い地方空港への就航を検討し「隅々までインバウンド(訪日客)を誘致するようなインフラを作りたい」と語った。

 北海道で自然や異文化を体験できる旅行商品をつくったり、鹿児島県・奄美大島の環境保全を支援したりして、日航が自ら需要を生み出す。地域と継続的に関わる「関係人口を増やす」(赤坂氏)ことで、2025年度にはレジャーなどによる国内の旅客数を19年度比で1割引き上げる。

 子会社の北海道エアシステムが23年冬にも、札幌・丘珠―根室中標津線に就航する。赤坂氏は地方を結ぶこうした路線を念頭に「きめ細かいネットワークを張っていく」と述べ「いろいろな人が行くことで、地域を活性化できる」と説明した。

 航空業界は人員を多く雇用して訪日客の伸びに対応したが、需要はコロナ禍で消えた。回復局面を迎えたが、赤坂氏は「(変動)リスクは誰が負うのか。国や自治体は政策として考えてほしい」と述べた。

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