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2023年8月16日に公開された動画のテーマは……「与野党対決！岩手県知事選」。
昨日に引き続き、ゲストにJX通信社の米重克洋氏をお招きし、8月17日告示、9月3日投票日の岩手県知事選について解説いただきました。
岩手県知事選の立候補予定者は？選挙選の注目ポイントは？
【このトピックのポイント】
・与野党対立、5期目を目指す現職と新人の一騎打ち…構図をどう読む？
・単純に「与野党対決」といえない首長選挙の事情を読む
・盛岡市長選挙の結果が影響も？
5期目を目指す現職と新人の一騎打ち、争点は？
現職の達増拓也さん（立憲・共産・社民支持）は岩手県知事を4期務め、今回は5期目の挑戦になります。
達増氏は小沢一郎氏の側近で、「小沢王国」岩手を象徴しているともいえます。国会議員から知事に転身されたタイミングが若かったので、年齢的には知事として高年齢というわけではありません。
新人の千葉絢子氏（自民・公明・政治団体いわて県民クラブ支援）は、地元テレビ局のキャスターを務めた後、岩手県議会議員を経て今回の立候補になります。自身も自民党出身で、今回は国政与党の枠組みから立候補することになります。
とはいえ、単純な与野党対立の構図だけではこの選挙戦は理解できないようです。
もともと小沢氏の系列で、民主党政権下で復興大臣を務めた平野達男氏が、今回千葉氏の選挙陣営をまとめている話を例に、地元の政界の複雑な支援構図を理解しておく必要があると米重氏は指摘します。
MC千葉佳織「前回は推薦がついていましたが、今回は与野党は推薦を見送っています。何か複雑な政治の事情があるのでしょうか？」
米重氏「一般論として、首長が選挙に出る時は政党色が出てしまうと、ほかの支持層が敬遠したりするなど、逆に不利になるようなことがあるのです」
米重氏は、達増氏は野党に支持されている構図ではあるが、自民党支持層からもたくさん票を獲得して当選したい、逆に千葉氏は野党の支持層をしっかり取り込んでいきたいという思惑があると読み解きます。
小沢一郎氏の動きは？
MC千葉「今回、小沢一郎さんはどんな動きをされる可能性がありますか？」
米重氏「小沢さんは、前回比例復活ということで、厳しい選挙戦を戦われた結果があります。岩手県政あるいは自分の政治地盤に対して危機感があると思うんですよね」
米重氏は、小沢氏が岩手県議選でも活動的であったことを振り返り、「達増さんの支援にもしっかり動かれるのではないでしょうか」と予測します。
米重氏は、今回の岩手県知事選挙は与野党対立という図式ではあるものの、前回選挙でもダブルスコア以上で勝っている達増氏の力は強いとし、千葉氏がどこまで迫れるかが基本的な見方になるだろうと見立てます。
盛岡市長選の結果
8月13日に投票が行われた盛岡市長選挙では、新人の内舘茂氏が3回目の挑戦で初当選しました。一方の谷藤氏は、6期目を目指しての立候補でしたが落選。
米重氏「これも政党の構図だけでは読めないタイプの選挙だと思うんですね」
米重氏は、当日の出口調査を読み解きます。
政党支持層別に見ていくと、自民党が応援していたのは谷藤氏だったはずですが、内舘氏に半数くらいの自民党支持層の投票があったと指摘します。さらに、無党派層は内舘氏のほうが少し多く、野党支持層は内舘氏の方が全然取ってるんですね。公明支持層でも内舘氏のほうがちょっと多く出ていました。
米重氏「与野党対立という構図が実態を伴っていたかの話もあるし、現職の多選批判という市民感情に響いた可能性もそれなりにあると思います」
あわせて、内舘氏と岩手一区選出の階猛衆院議員（立憲）と同級生で非常に親しく、前回の選挙でも応援されていた経緯があることを紹介しました。
加えて、前々回が14ポイント差、前回が3ポイント差と迫っており、さらに前回はもうひとり立候補者がいました。前回は、もうひとりの候補者がいなければ結果がわからないという状況になっていたということです。
米重氏「満を持して、環境が整って内舘さんが勝ちきったという選挙だったのではないかと思います」
MC千葉「無所属という形にして、より多くの支持を巻き込みたいと思う一方で、無所属にしたから全部固められないというところが勝敗を左右するのでしょうか」
米重氏はうなずき、首長だとオール与党という形ができやすく、結果として埼玉県知事選のように投票率が下がることがあると紹介。しかし、期数を重ねていくと市民の心がついてこなくなってしまい、足場が崩れるということが多選の首長で起こりうるもので、今回もそのようになったのではないかと考察しました。
米重氏「単純な野党系が勝った、与党系が負けたみたいな見方がしにくい選挙かなと思います」
動画本編はこちら！
岩手県知事選は現職と新人の一騎打ちも、単純な与野党対決にならず？
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